夏休み最後の週末

今日は8月25日(日曜日)

昨年までは2学期の始業式が9月1日(今年は日曜日ですので9月2日になりますね)が多かったのですが。私の知っている範囲では、今年については8月28日や29日に始業式を行う学校が多いです。

GWが10日あったこともあって、授業日数が不足することが原因の一つのようですが、いつもより早く学校が始まります。

夏休みが短くなった学校に通う子どもたちにとっては、今日が「夏休み最後の週末」となったと思います。

多くのご家庭では、家族皆で過ごす夏休み最後の土日になったのでしょうか。

中には家族でお出かけしたり、夕食の買い物に出かけたり、夕食は外食されたりされたかも知れませんね。

もうすぐ夏休みは終わります。

子どもたちは日常に戻っていきます。

子どもは学校が始まることに対してポジティブな気持ちを持っているでしょうか。

子どもの表情はどうでしたか?

昨今、9月1日問題、みたいに言われて、2学期が始まるタイミングで学校に行くことを渋る子どもが出てくることが心配されていますね。

実際に、学校へ行きたくないとか、悩みを抱えている、といった子どもの相談に乗ってくれる組織などがいくつもあります。

相談先の一部です

① チャイルドライン(0120-99-7777)

 

(運営:特定非営利活動法人チャイルドライン支援センター(認定NPO))

② 子どもの人権110番(0120-007-110)

(運営:法務省)

③ ストップいじめナビ

(運営:特定非営利法人 ストップいじめ!ナビ)

他にもあるようです。

私たちが子どもだった時と、今の子どもたちを取り巻く環境は驚くほど変わってしまっています。

その大きな要因の一つはインターネットを主軸とする通信環境の発展に違いありません。

子どもたちはスマホを使ってLINEなどを駆使しています。

その中で、あらぬ誤解を招いてしまったり、内緒な話が皆に知れ渡ったりして、息苦しい思いをしている子どもも少なくないと思います。

我が子が、

「学校、イヤだなぁ。」とつぶやいたりしたら、親としては焦ると思います。

「もしかしてうちの子いじめられているのかな?だから学校へ行くことを渋っているのかな?」

と思ってしまうと思います。

同時に、我が子にはそのようなトラブルはないだろうと考えて、「きっと、うちの子は勉強したくないから『学校イヤだ』とか言ってわがまま言っているんだろう。」と考えることもあるかと思います。

親としては、子どものトラブルはできるだけ矮小化したいと考えがちです。

「そんなの、お前のわがままだよ。頑張って学校で勉強してきなさい。」

と言って、子どもを学校に送り出してことが済めば、「ほっ」とすると思います。

多くの場合は、こういう、子どものわがままみたいなものだと思います。

でも、中にはそうではない、深刻なものがあると思います。

思い出しました

私、実は一時期、特別養護老人ホーム/ケアハウスに勤務していたことがあります。「生活相談員」という肩書なのですが、その時に施設の防火管理者をしていました。

仕事の関係上、管轄の消防署の方とお話しすることが多かったのですが、彼らの話が本当に格好良かったです。ダラダラとした文章ですが、良かったらお読み下さい。

特別養護老人ホーム/ケアハウスでは、法令上当然、しっかりとした防火管理体制が求められます。火災報知器が鳴動すると、管轄の消防車が5台出動することになっていました。中々の体制です。

一方、特別養護老人ホームに入居している方の中には認知症が進行しているケースが少なくありません。そういった方々が、ある時、たまたま火災報知器のボタンを押すことがあります。

だって、中央に「強く押す」って書いてありますからね。

こんなにはっきり命令されたら、そりゃあ押します。

その瞬間、システムが作動して、所轄の消防署に自動的に緊急情報が伝達されます。そして、消防車、出動。

私の在籍していた施設でも1回ありました。

女学校を卒業されていた認知症のおばあちゃんが、深夜に目いっぱいこのボタンを押しました。

大騒ぎでした。

消防車が大量に押し寄せてくるんですから、ある意味格好良い光景。

 

99回ウソでもよい

翌日、消防署の担当の方に呼ばれて、事情の説明を行いました。

正直に言いましたよ。「強く押す」と書いてあったのでその通りに強く押したようです、と。

怒られると思ったのですが、消防署の方は大爆笑されました。

そして、こういって下さいました。

「149teacherさん、それで良いんです。そのおばあちゃんを怒ったらだめですよ。私たちは100回の緊急出動があって、99回が間違いで良いんです。最後の1回が大切なんです。最後の1回のために無駄な99回があって構いません。その1回のために私たちは働いているんです。」

めちゃくちゃ格好良かったです。

ひるがえって、親としての自分を考えたいと思います。

子どもは、自分に対する甘えから、時としてマイナスなことを口にします。

そんな発言を聞く親は、正直ブルーな気持ちになってしまいます。

そして、「うちの子が学校に対して否定的なことを言っているけれど、これは単なる甘えから言っているに過ぎない。いざ学校に行ってみたら、どうってことはないはずだ。」と考えたくなります。

考えたくなる、というか「そうであって欲しい。」という自分の期待に基づいて子どもに声を掛けたりします。「何言ってんのよ、学校はちゃんと行きなさい!今日まで散々遊んだでしょ!」

このような言葉で子どもが「あ~ぁ、やっぱり学校は行かなきゃいけないか。もうちょっと休みたかったな。」位の受け止め方をしてくれて、甘えやわがままを抑えてくれたら上出来です。

私たち親は、100回に1回の重大事項を観察しなければならないと思うのです。

99回は子どものわがままです。

でも、もしかしたら今回が残りの「1回」かも知れません。

そういった緊張感は、親として持っておきたいと思います。

そのためには、とにかく子どもを観察することです。

私たちは心理学を修めた専門家ではありません。特別な教育を受けたわけでもありません。でも、我が子の立ち居振る舞いを見ていると、「普段と違う」様子は見て取れすはずです。

もし、そのような「普段と違う」様子が見られるのであれば、まずは子どもの話を徹底的に聞いてみたいと思います。

親が意見を言うことは必要ないです。

とにかく、子どもが話しやすいような雰囲気を作って、彼(彼女)が思っていることを思う存分話すことができる環境を作ってみて下さい。

そうやって、聞きだした子どもの気持ちも所詮「わがまま」かも知れません。

でも、そのような場を作ったということは、子どもにとってとてつもなく大きいと思います。

だって、お子さんには、お父さんやお母さんとじっくり話ができるという「居場所」があることが確認できたのです。

心から安心できる居場所がある子供は、辛いことがあったらその場所に逃げ込むことができると認識してくれます。

先に書いたような相談機関も有効ですが、まずはお父さんとお母さんが大切な我が子の「相談機関」になれたら何よりだと思います。

くれぐれも夏休みのダラダラした様子をふつふつと思い出した「思い出し怒り」は控えて下さい。子どもは言いたいことも口に出せなくなってしまいますよ。

どうしても子どもに言いたいこと、注意したいことがあったら「ピンポイント」です。

あとは聞き役に徹してみて下さい。

 

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