久しぶりに記事を書いております、149teacherです。
別にサボっていた訳ではありませんが、寄る年波に勝てず日々の塾の仕事で疲れ切っておりました。
夏期講習も終わり、精神的にも肉体的にも少しリフレッシュ。
少しずつ思ったところを書き留めておきたいと思います。
よろしくお付き合いください。
まっすぐ座れない?
塾で授業をしていますと、真っすぐ座れていない子どもの姿が目に付きます。
私なんかは50過ぎのおっさんですから、子どものとき学校の先生に「ちゃんとまっすぐ座りなさい!!」と大声で怒る先生の元で授業を受けていました。
ですから、先生に怒られないように、授業中はしっかりと前を向いて、姿勢を正しくして授業を聞いていたものです。
ところが、塾で授業をするときに子ども達の座り方を見ていると、それはまぁ、びっくりさせられます。
真っすぐ座ることができていない子どもが多すぎるのです。
「少しくらい座り方がおかしくても良いじゃない?」というお母さんはおられますか?
「勉強と姿勢は関係ないでしょ!」何て思っておられないですよね?
私はね、子ども達には正しい姿勢で授業を受け、正しい姿勢で家で勉強してもらいたいのです。
別に授業を行っている私(教師)に対して敬意を表しなさい、などと言いたい訳ではありません。
ダラッとした姿勢(気持ち)で勉強と向かい合って欲しくはないのです。
ダラッとした姿勢とは?
授業中に見られる、ダラッとした姿勢としては、
- 足が机の外に出ている
- 机といすとの間が離れすぎていて、前傾姿勢になるような状態で机に向かっている
- 机の上に前屈みに突っ伏している状態で、机と顔とが近付きすぎている
といったようなケースが多く見られてしまいます。
どのケースも、基本的な問題は
「机と椅子との距離が離れすぎている」ということです。
机を椅子が離れすぎていると、子どものお腹が机の縁と離れてしまいます。
そうすると、まず足が机の手前に置かれる状態になります。
そのため、胴と机との間が広がるので、足を机の外側に出すことが簡単にできてしまいます。
また上半身が左右に自在に回せる状態になるので、後ろの席の方を向いたり、左右に体をクルクル回転させることができ、真っすぐ前を向くのに不必要な動きをすることが簡単にできます。
そして、いざ自分の机の上にあるテキストなどに書き込みをしようとすると、胴体が机と離れているので、上半身を前に傾けた形(机に覆いかぶさるような状態)で、机に向かうことになってしまいます。
こういった姿勢を教室の前から見ていると、「ダラッとした姿勢」に見えます。
勉強中は勉強に集中しようよ!
ここまで私は、
「姿勢は正しくするべきである」という考えに基づいてお話しさせてもらっています。
では、例えば、姿勢の悪い子どもが
「僕はこの姿勢が集中できるから、これでいいんです!」
と主張したらどうしましょうか。
私の答えは簡単です。
「もっと集中できるように、姿勢を正しくしなさい」
「そうすると、君はもっと力を発揮できるよ」です。
正しい姿勢を保ちながら勉強すると、次の2つの効果が十分に見込まれると考えています。
- 周囲の様子が気にならなくなり、自分自身の勉強に集中できる
- 脳にしっかりと酸素が供給され、本来のパフォーマンスが発揮できる
小中学生は、精神的に未熟な故に、周囲の環境から影響を受けやすいです。
私は少人数集団授業の塾で働いています。
子ども達が教室内でお互いに影響を受け合いながら切磋琢磨して力を伸ばすことが有効だと考えているからです。
でも、それは、演習中に上半身をクルクル回転させて周りの子ども達の取り組みを見て欲しいというものではありません(そんな動きカンニングですもんね)。
そうではなくて、ピンと緊張感が張りつめた空間で、その真摯な空気感を実感してもらいたいのです。
周囲の空気感を感じながら、自分の能力を最大限に引き出すためには
正しい姿勢が何よりも必要なのだと思っています。
また、姿勢を正しくすることで、脳に効率的に酸素が供給されるそうです。
脳って酸素を大量に必要としますもんね。
このあたりの話は、お母さん方がネットで調べて下さい。
私が特定のサイトや記事のリンクを貼って、自分の考えを押し付けるのもわざとらしいと思いますので。
調べて頂けたら、「正しい姿勢」に意味があるとお分かりいただけると思います。
子どもってね、勝手ですよ
とはいえ、勉強するのは当の子ども。
私やお母さん、お父さんではないです。
子ども本人が納得しなければ、正しい姿勢で勉強しなさいなんて言っても聞き入れてくれないかもしれません。
でもね、そこからが親の役目だと思うのです。
「中3にもなったうちの息子が、ダラッとした姿勢の方が集中できると言っているのだから、それはそれで理由があるのだろうな」とか、
「うちの娘は、親の私が言っても聞いてくれないだろうから、どうしようもないな」
なんて思っていませんか?
もちろん、そう思ってしまうお気持ちは十分わかります。
これまでも散々、お子さんに色々意見して、そしてそれが不発に終わり、
「反抗期」と片付けるのには長すぎる位、お子さんがあなたのアドバイスに声を傾けてくれない時間が長くなっているかも知れません。
それでも、私たち親は、
「こうあるべき」という王道を子どもに諭し続けなければならないと思いますよ。
子ども達は、体も大きくなって、一人前の風貌をしています。
でも、まだ人生10~20年です。
まだまだ身に付けなくてはならない「常識」や「心構え」はたくさんあります。
私たち「親」が、そして「教師」がそれを丹念に伝えてあげなければならないと思います。
「個性」とは「常識」が身に付いてからの応用だと思います。
親や教師は、まず「常識」を子どもに丁寧に教えなければならないと思うのです。