ピンポイントで怒る

上手な「怒り方」って?

こんばんは、149teacherです。この記事もご覧いただいて有難うございます。

日々、「うちの子、どうしてあげたら良いの?」と悩んでいるお母さんたちにとって、少しでも参考になることがないかと思って今日も書かせていただいています。お付き合いください。

今回のテーマは「怒り方」です。

子どもを怒ったことがないお母さん、おられますか?

巷では怒らない子育てというものも取り上げられているようですが、この記事を読んで下さっているお母さんたちにとっては、ほぼ「あり得ない」環境ではないかと思います。

だって、子どもに期待しているからこそ怒るんだと思いませんか。親の思いを何とか分かってほしい、今のあなたの姿勢は間違っていると思うよ…。思いを分かってほしいからこそ、声を張り上げているのではないですか。

そして怒った後、何とも言えない後悔や脱力感なんかを味わっているのでないかと思います。お母さん一人で。

子どもは子どもで、怒られているときは少しシュンとしたような様子を見せてはいるものの、少し時間が経つとテレビを見ていたり、ゲームをしていたり…。

「私の言ったこと、分かっているの?」と、又怒りがこみあげてきたりします。「どうして分かってくれないのだろう?」

良かれと思って、子どもを??る。子どものためを思って我が子を怒る。これは当然のことだと思います。でも、怒った後の無力感も中々大きいです。

怒り方って本当に難しいんです。

私は塾で子どもを怒るとき、2つのことを意識しています。

① 授業終了間近で怒らない。

もうすぐ授業が終わるというときに子どもを怒ると、単純に後味が悪くなるからです。怒られてシュンとした子供の背中を見送ると、切なくなります。もちろん、利己的な感情もあるんです。「次回の授業に来てくれるかな?」「塾を辞めるなんて言い出さないかな?」といった不安に襲われたくないのです。

次の授業にその子が来てくれたら、心底ほっとします。

これをご家庭に置き換えてみると、子どもが学校へ行く直前や寝る直前に子どもを怒ることが当てはまると思います。

学校へ行く前に子どもをこっぴどく叱ったとしましょう。

子どもは(ある意味自業自得であったとしても)面白くない気持ちで登校します。帰宅したときお母さんの機嫌はどうなのかな?と考えます。そんな気持ちを抱えながら学校で授業を受けるのは、あまり生産的ではないですよね。何か、ストレスばかりが溜まってしまいそうです。

お母さんだって、子どもがどんな顔をして学校から帰ってくるのか気になってしまうと思います。お仕事をされているお母さんならば、仕事中に頭の中に子どものことがいつも以上に浮かんでしまうかも知れません。「塾に行く前に、ちゃんと何か食べているかな?」とか、「自転車で事故とか起こしたりしないかな?」お母さんにとっても、精神衛生上、大変よろしくない状態だと思います。

何よりも、お母さんだって「どういう表情で子どもにあったら良いかな?」と悩んでしまうと思います。

私が授業終了間近で子どもを怒らない理由がお分かりいただけますか?

怒った方、怒られた方にとっても次に相手に顔を合わせるまで、とても楽しくない時間を過ごさなければならないのです。

② どの点を怒っているのか「ピンポイント」で怒る。

「思い出し怒り」でも書きましたが、「怒り」をコントロールすることは大切でが、同時にとても難しいものだと思います。

子どもを??っている間にふつふつと別の怒りがこみあげてきて、気持ちを抑えきれなくなってしまいます。そして今怒っていることと別のことも話題にして怒ってしまう。

例えば、子どもが昨日までに学校に提出しなければならない書類をお母さんに見せていなかった。書類の日付を見ると、3日ほど前のものです。提出期限は昨日。

頭に来ますね。「恥ずかしい思いをするのは私の方なのよ!」と怒りのボルテージは上がります。

もちろん子どもに「学校から受け取った書類は、必ずその日中にお母さんに渡しなさい。」ということについては子どもを怒って良いと思います。

ただ、お母さん。聞いてください(読んで下さい)。ここでお願いしたいのですが、この場面で、子どもの他の面についても話題に挙げて怒ることは我慢してください。

例えば、「この書類の締め切り、昨日までになっているじゃない?もう、何でもっと早くお母さんに渡してくれないの?お母さんが恥をかくのよ!あなた、宿題とかも大丈夫なの?この前だって漢字大テストの間違い直しを提出しないといけないときに間に合っていなかったでしょ?他にもお母さんに隠していることない?締め切りは守らないといけないの。分かるでしょ?お母さん、あなたがそんなだらしなかったら恥ずかしいわ。」

ついつい言ってしまいそうですよね。でも、こんなセリフは恐らく子どもに上手に伝わりません。お母さんの怒りを聞いている子どもは、途中から自分の全部を否定されている気持ちになってしまうと思うのです。

つまり、「しっかりしていない僕(私)は、お母さんの期待に応えることができていない子なんだ。」と。

こういう気持ちを抱かせてしまうと、子どもは委縮してしまいます。

だって、誰だってお母さんに怒られたくないんですから。

そうすると最悪の場合、「まずい、お母さんに言うの忘れてた。」ということがあったときに

① ひたすら隠す

② どうしようもなくなって逆切れする。

といった反応をするようになるようです。

怒りを伝えることはプレゼンテーションです

お母さん。子どもをるときは、今自分が何について怒っているのかをはっきりと伝えてから怒って下さい。学校に提出しなければならない書類をお母さんに見せることが遅れたのであれば、そのことについてのみ徹底的にって下さい。相手(子ども)に自分の怒りを正しく伝えるプレゼンテーションなのです。

そして、そのことについて一通り怒り終えたら、

「分かってくれた?今度からは気を付けてね。はい、そうしたらこの話はここで終わり。今日の晩ご飯はハンバーグにしようと思っているんだけれど、嬉しい?」

こんな対応ができたら素敵だとは思いませんか。

「そんな上手いことできるわけないわ。」と思っているお母さん。私たち大人は子どもに対して優位な立場に立っていると思うのです。優位な立場にいる大人が、その立場を利用して、感情の赴くままに子どもに激しい感情をぶつけても、立場の弱い子どもは表面的には盲目的に受け入れるしかないのです。

でも、その心の内は表情とは違っていると思います。

「何でここまで怒られないといけないのかな。」

「お母さん、色んなことで怒っているけれど、僕のこと嫌いなのかな。」

といった本意ではない気持ちを子どもに持たせないようにすることが大人と務めだと思うのです。

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