夏期講座終了
1時間半ほど前に今年の夏期講習が終了しました。
ドッと疲れが出てきているのと同時に、「やっと終わった!」という安堵感に包まれています。
カリキュラムを首尾よく終了させたことは嬉しいことなのですが、毎回講習会が終わったときに強い後悔の気持ちに襲われてしまいます。
もちろん、
「子どもたちの役に立っただろうか。」というものです。
お父さんやお母さんから受講料を頂いているのですから、それなりのレベルの講習会(授業)を行った自信はあります。
いや、正直、受講料以上のことはできていると自負しています。
それでも、何か心にひっかっかるのは、「子ども自身に、目に見える状態の学習効果が見られるのか。」ということです。
お父さんやお母さんにはお金を負担して頂いています。
子どもたちには時間をもらっています。
そういった環境下で、私自身が子どもたちが満足できる成果を残してあげることができたのだろうか、ということが常に気にかかってしまいます。
子どもや親が満足しているか
もう少し丁寧に話させていただくと、
教師である私には、一人ひとりの成果は十分に把握できているのです。
少なくとも私が担当した子どもたちは全員、この夏期講習で何らかの成果を上げることができています。
でも、それは私の判断なのです。
大切なのは子ども自身やお母さん方が、「夏期講習に通って良かったな。」と実感してもらえているかということなのです。
よく考えることなのですが、例を挙げさせてください。
ある子どもがいたとします。その子は、あまり勉強が好きではありません。
半ばイヤイヤ塾に通っています。
でも、私たちの授業で、色々と子どもに働きかけて、励まして、ある程度の質と量の演習をさせることができました。
私としては、大きな成果があったと考えます。
一方、子どもは「しんどいだけだった。」と考え、
お母さんは「子どもから勉強に対して前向きな気持ちが見られなかった。」と受け止めたとします。
そうすると、私の感じる成果は本人やお母さんには全く伝わっていないことになります。
結果として、「夏期講習に行ってもあまり効果がなかった。」と受け止められてしまう危険性があるのです。
「危険性」と敢えて書きましたが、効果は確実にあるのです。
でも、受益者であるべき人がその利益を実感して下さらないと、効果はありません。
言うならば塾側の「自己満足」&「自己弁護」としか判断して頂けません。
塾は、点数を取らせてナンボのせかいですから。
これは、難しいです。
お母さんに対して、つらつらと自分の考えを伝え、
「ですから、今回の講習会は効果があったんですよ。」
とお話ししたとして、お母さんが私のセリフを額面通りに評価して下さるかと言うと、必ずしもそうとは言えません。
もちろん、「分かって欲しいな。」という気持ちは物凄く強いんです。
お母さんには怒られるかも知れませんが、「この子がここまで頑張ったのは、ものすごいことなんですよ。」と声を大にして言いたくなります。
でもね、やっぱり、子どもはお父さんとお母さんの子どもなんです。
ご両親が、納得して、子どもを評価して下さらないと子どもは救われません。
私だけが子どもを褒めても、子どもは「先生はそう言ってくれるけど、お母さんには怒られているし…。」となってしまうのです。
それぞれの家庭には、それぞれの価値観があります。千差万別です。
でも、塾教師をしている私としては、せめて時間割通りに夏期講習に参加したことをもって、子どもを褒めてあげたいと思うのです。
夏期講習で終わりではありません
一方で、塾教師の私は、講習会で不十分だったところを嫌というほど把握しています。
不十分というよりは、むしろ時間不足だったというべきなのかも知れません。
この点を忘れることはありません。普通の塾教師ならば。
そして、週明け以降、通常の授業に戻ったときに、一人ひとりの積み残しを忘れずにいて、その子と向かい合って、積み残しの清算をするのです。
夏期講習に参加したのに、中々力が伸びないと思われているお母さん方、本当に申し訳ありません。
私は、(私たちは?大手の大規模塾の先生の気持ちは私には分かりません)夏の反省を踏まえて、2学期の指導を続けていきます。
どうか、子どもたちが学校だけでなく、塾でも勉強を頑張りたいという気持ちを汲み取ってあげて下さい。