日曜日の塾の授業

こんにちは。

日曜日の午後6時です。
もしかしたらこの記事を読んで下さっている方の中には「明日から仕事か…。」と少々ブルーな気持ちになっている人もいるかも知れません。

私は、先ほど仕事を終えて、家で妻や子供とおしゃべりしながらのんびりしています。
今日は、中学3年生の授業を6コマ行いました。
そして、
私にとっては今が週末なんです。

日曜日に塾が開いている

今日は、日曜日についてお話しさせてください。
学習塾業界(私はその「業界」とやらに属している自覚はないのですが)では、日曜日に教室を閉めていることが多いです。

だって、日曜日だから…。ということなのですかね。

もちろん、定期テスト前とか入試前には「日曜特別特訓」等の名称で臨時で授業を行っている向きもあるようです。

私の勤務している塾では、日曜日も普通に開けています。
「特訓」ではなく、通常の授業を設定しています。

だって、日曜日は学校がお休みですから、塾にとっては有難い時間帯なのです。

特に高校受験を控えた中学3年生にとっては、部活動を引退した後の日曜日の使い方がとても大切なのだと思っているのです。

入試前の中3生。日曜日にはどこにも行く用事がないですよね。

お母さんとしては、モヤモヤしませんか?

一日中、子どもが家にいて、ダラダラと過ごしている。
この子入試まであと1か月しかないのに、大丈夫かしら?

モヤモヤを通り越して「イライラ」しますね。
場合によっては、爆発してしまうかも知れません。

私の塾では日曜日の今日、子どもに最低3時間の授業を課しています。多い子は6時間。
学校でも平日に同じくらいの時間数をこなしていますから。

で、日曜日に塾が開いていることについて私の思いを書かせてください。

親としては有難い

まず、お母さんたちの立場から見ると、日曜日にも塾があるということはマイナスではないと思います。
家でダラダラされるよりも、強制的に塾に行って、少しでも勉強してくれる方が良いはず。

受験に向けて子どもに勉強して欲しいと願っているとき、
親が一番イライラするのは、子どもがちゃんと勉強していない様子を目の当たりにすることです。

スマホをいじくっている我が子を見て、お母さんの怒りは爆発するのではないですか?
「いつまでダラダラしているのっ!」って。

日曜日に塾の授業があったら、子どもはイヤイヤながらも家を出ます。
少なくともお母さんの視界には入らなくなりますよね。

そして、子どもを預かった私たちは、必死になって授業をします。

受からせるために。

そう考えると、日曜日は塾としてできるだけ有効に活用したい日なのです。

えっ?日曜日は閉まっているの?

でも、比較的多くの塾は日曜日は閉まっています。
特に個別指導の塾さん。

理由は明らかですよね。

日曜日に出勤してくれる講師がいないんです。
アルバイトの学生さんもそうですし、
専任教師も、「できれば日曜日は休みたいです。」と要求してきます。

人手がなければ、教室を開けることはできません。

結果、「シャッターを閉じる」ことになります。

正社員の教室長さん、
「僕も日曜日は休みたいな。」と思っておられるでしょ?

そもそも日曜日って、皆、休みたいんです。

でも日曜日の授業には価値がある

教える側が休みたいと思っているのですkら、授業が行われないことがほとんどです。

でも、私、ここしばらく日曜日に授業をしていますが、
「楽しい」のです。

子どもは学校帰りではないので、とにかく元気です。
午前から午後にまたがるカリキュラムを組んでみると、
お昼に近くのコンビニにお昼ご飯を買いに行く子、
お母さんがお弁当を持たせてくれている子、
中には自分でお弁当を作ってくる子。

皆が受験のプレッシャーに負けそうになりながらも、同じ立場の友人たちと一杯お喋りをして、大声で笑って、英気を養っているのです。

そんな空気の教室の中に入って、子どもたちとたわいのない話をしながら、ごみを集める。

そして、時間が来たら、午後の授業開始。

子どもたちとの間に、しっかりと絆ができてくるような気がするんです。

止められません。

みんな、我が子になったような気持ちになってしまいます。

初めは悩みました

私も塾で働きだしたときからずっと、日曜日に勤務していた訳でありません。

事情があって、日曜日に勤務する人員が足りなくなったことがあったのです。

その時正直思ったのは
「日曜日に仕事をするのは嫌だな。」という気持ちでした。

当時の我が家は長男が中学生。
サッカー部に在籍していて、小学生の頃は、日曜日に試合があるとできるだけカメラ&ムービーを携えて子どものプレイを撮影していました。大切な我が子の成長の記録として。

日曜日に仕事が入ると、それも難しくなります。

そもそも、日曜日に働くことに対して、何となく「イヤだな」と言う気持ちが芽生えてしまうのです。

でも、当時の私の塾ではほかの選択肢はありませんでした。

塾長に「日曜日のシフトに自分を入れてくれ」と言っても、
中々「うん」とは言ってくれませんでした。他の選択肢はないのに。

妻は、
「日曜日が仕事になって、我が家がどう変化するのか分からないけれど、そうしなければならない事情があるならばそうしなさい。」と言ってくれました。

ですから、もう一度塾長にアタックです。

結果、私は日曜日に出勤することになりました。

こんな風に書くと、塾長がズルい人に思われるかも知れませんが、
塾長は1982年に塾を始めて以来、ずっと日曜日に塾を開けているのです。

私は、むしろその姿勢に近づきたいと思いました。

別に「家族を犠牲にして仕事を優先する」というような高尚な気持ちもないのです。

土曜日・日曜日には仕事をしていますが、月・木に休みをもらっています。

休みの日には、家族に夕食を作ることも少なくありません。
子どもたちは「うちのお父さんはこういう仕事なんだ。」と理解してくれています。

別に年がら年中家を空けているのではないですから。

日曜をお金儲けの手段にしている塾もあります

ここまで読んで頂くと、「そうか、日曜日に空いている塾は熱心な塾なんだ。」
と思われる方もおられるでしょう。

ちょっと待ってください。その判断は早すぎます。

進学系の学習塾の中には、日曜日を「悪用」するところもあります。日曜日に「オプション」の授業やテストを実施することで受講料金をさらに徴収しようとするのです。

そういう塾は、講師を募集する際に
「日曜は休み」と明言して講師を募集します

でも、実際に就職してみると、確かに日曜日にレギュラーの授業は設定されていませんが、「オプション」の授業やテストやら何で教室を開けなければならない。結果、暗に出勤を強要される。

結局、日曜日休みとは名ばかりで、実質的には日曜日にも出勤しなければならない、という摩訶不思議な結果に落ち着くのです。

私の塾でも、教師の新規採用のために求人サイト等を使って教師を募集することがあります。
で、学習塾業界(?)の応募者に面接時に聞くと、大体こんな返事が返ってきます。

彼らは、「子どものために」という大義名分のために押しつぶされています。
〇〇塾!と具体的な名前を出したい位です。

教育に監視を持って、この業界で頑張ろうと意思を固めた若者を騙して・搾取して・使い捨てるのです。

こんな日曜日の使い方は間違っています。

志のある個人塾の苦労

今日、なぜこんな記事を書いたのかというと、個人塾で頑張っておられる先生方が少なくないからです。

知名度でも、広告戦略でも大手には全くかなわない学習塾が一杯あります。

でも、中には単に規模が小さいだけで、
子どものことを必死になって考えてくれている学習塾がたくさんあります。

大手の塾が悪だとは言いません。
そこにニーズがあるのですから。

でも、同時に大手ではないけれど、地元に密着して、子どものことを真剣に考えてくれる学習塾がある、ということも皆さんに伝えたかったのです。

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