日常動作を観察すると
私の勤務している塾では、結構多くの生徒(小中学生)が自転車でやってきます。
駐輪場を整頓するためと、生徒の安全確保のために「立ち番」と称して塾にやってくる子供たちのお出迎えをします。
その時気付いたのが、自転車を止めて駐輪するときの子どもたちの動作。
何となくではありますが、自転車を止める動作を見ていると、その子の学力との相関関係があるのではないかと考えるようになりました。
ちょっと細かくなるのですが、自転車を止める際の動きとしては、
① 自転車にまたがっている状態でブレーキをかけつつ減速して停車準備。
② ペダルから足を離して片方の足を地面につけ、停車。
③ サドルから離れ、自転車の側面(大体自転車の左側)に立つ。
④ スタンドを起こし、自転車を止める。
⑤ 後輪についている鍵のロックをかけて鍵を抜き、鍵をしまう。
みたいな感じですよね。
スムーズな子、そうでない子
子どもの中にはこの一連の動きがとてもスムーズな子がいるんです。
特に③④⑤のところ。体の動きが止まらずに、流れるように一連の動作を完了するんです。
自転車からひらっと降りたと思うと、もう鍵を抜いてカバンのポケットにしまっています。
で、そういう子は大抵、他のことについても、要領がよい子。
一方、①~⑤の動きがとてもぎくしゃくしている子もいます。
自転車の操作に慣れていない面もあるとは思うのですが、自分の頭の中で、「次はどうすれば良いか」が整頓できていないのではないかなという印象を受けます。
最後に抜いた鍵をカバンやポケットに仕舞おうとしても、仕舞う場所が決まっていなくて、結局鍵を手に持ったまま教室に向かっていったりします。
次の行動を考えているか
動作のスムーズな子供は、あらかじめ自分の動きをシミュレーションしているのではないかと思います。
こういう風に自転車から降りたらスタンドを出しやすいなと考えて自分の動きを工夫しているようです。
その結果、自転車の左側に降りるときには、右足が自転車をまたいで左足の横に降りるのですが、その時にもうまたがってきた右足がスタンドを蹴って、出しているんです。
そして、すかさずしゃがんで右手で鍵をロックしています。美しいです。
是非お子さんの普段の動作を観察して、スムーズな動きをしているかどうか見るようにして下さいませんか。
我が子の動きを観察するだけでも、発見できることは少なくないと思います。
すごいなぁ、と見とれながら考えたのですが、普段の動作で無駄のない動きをしている子どもは、それだけ時間を得しているのではないでしょうか。
細かい話ですが、一つの動作をするときに無駄な時間をできるだけ排除して行動できる子は、結果として自由に使える時間が増えるのではないかと思います。
無駄な時間の積み重ねが自由時間を奪います
で、私は授業で子どもたちに言います。
学校から帰ってきて、「疲れたぁ」と思うでしょ。
それは十分わかる。
でもドアを開けて靴を脱いで、上着をばあっと脱ぎ散らかして、カバンをそこら辺に投げ捨てるように落っことしてリビングに直行。
ソファにドスンと倒れこんで「ふわぁ…」なんて言いながらしばらくの間ゴロゴロする。
「だって疲れているんだもん」と言いたくなることは分かるけど、そういうダラッとした時間を少しでも減らした方が、結局寝るまでの間にまとまった自由時間が手に入ると思うよ。
私たち大人も中々実践することはできませんが、無駄な時間を減らすことはとても大切だと思います。
是非お子さんの普段の動作を観察して、スムーズな動きをしているかどうか見るようにして下さいませんか。
我が子の動きを観察するだけでも、発見できることは少なくないと思います。