中学3年生、実力テストの手ごたえはどうでしたか?
2学期が始まり、実力テストが実施されたことと思います。
中学3年生の受験生にとっては、9月、11月と行われる大切な実力テストの第一弾です。
以前にも書きましたが、実力テストが成績(内申点)に影響を及ぼすことはほとんどありません。
内申点算出のために定期テスト(中間テスト・期末テスト)があるのですから。
実力テストは、入試当日の得点力をシミュレーションするためにあります。
私たち塾教師は、子どもに模擬試験を受けさせているので、偏差値データ等を基にして子どもの入試得点を推定します。
一方で、学校の先生方は子どもの偏差値データを持っていません。
そのために、実力テストを当日の入試得点と「見なし」て、疑似的に総合得点を算出します。
そして、過去の卒業生のデータと突き合わせながら、合否の可能性を判定します。
ですから、中学3年生の実力テストは、受験校決定に際して、大変重い意味を持ちます。
「想定得点」の算出
もうお分かり頂けたと思いますが、まずは今回の実力テストと1学期の内申点を基にして、子どもたちの「想定得点」を計算するのです。
私の地元の兵庫県を例にしてお話しさせてください(私の勤務地&住まいは兵庫県の第2学区です)。
兵庫県の公立高校では、受験生を500点満点で評価します。
内訳は
- 内申点:250点
- 入試当時の得点:250点
の計500点満点です(第1志望校加点20点というのがありますが、ここでは割愛します。
そして、内申点の計算は、
- 主要5教科の成績(5段階)×4
- 実技系科目4教科の成績(5段階)×7.5
と算出します。
この数値は、中学校の先生が持っておられます。
次に、入試当時の得点ですが、これは、5教科の合計得点(500点)を2分の1倍します。
これで、250点満点。
そして、内申点と入試得点を足してスコアを導き出します。
中学校では、上に述べた入試当時の得点の代わりに、実力テストの得点を2分の1倍して、
「見なし得点」として内申点(これも今日現在では1学期の生成が基になりますが)に加えて「想定得点」を出します。
そして、その想定得点を踏まえて、2学期の進路指導を進めていきます。
中学校の先生は、過去の卒業生(主に昨年度ですが)の数値と見比べながら、子どもの合格可能性を判断します。
中学校内のデータで、子どもがどうしても行きたいと言っている高校に安定して合格できている得点が昨年度は500点満点中、380点だったとします。
そして子どもの想定得点が360点でした。
この状態では、学校側としては「よし、それじゃあ頑張って第1志望校を受けような。」という返事にはなりません。
昔から言われていることですが、学校の先生方には「15の春を泣かすな」という鉄則があります。
無茶な受験をさせて、行く高校がない状態を絶対に作り出してはいけない、というものです。
得点が足りないと…
そうすると、先生がお母さんに提案する道は次のいずれかになります。
- 第1志望校を別の難易度の低い高校に変更してもらう
- 第1志望校は変えない代わりに、第2志望校をできるだけ難易度の低い高校に変更してもらう
じつは、お母さんに直接連絡して下さるのはまだましな方で、ホームルームの前後などで、子どもに直談判する先生もおられます。
「ちょっと、〇〇、来てくれるか?」
「君は、今回△△高校を第1志望にしているけど、今の数字では結構厳しいぞ。」
「もちろん、絶対ムリとは言わないけれど、かなり厳しいよ。」
「それに、もし△△高校に入れたとしても、今の数字では君は学年の底辺になるぞ。」
「そんな環境で、部活やらなにやらと、楽しい高校生活が送れるか?」
…厳しい言葉ですね。
大人が聞いても胸に応えるのに、こんなセリフを15歳の子どもが言われたら、そりゃあ、
「…志望校、考え直してみます。親とも相談します。」ってなりますよね。
もちろん、第1志望校以外にも、魅力のある学校は沢山あるはずです。
でも、第1志望校を受けさせてもらえなかったという「負の記憶」は子どもにずっと残ります。
「高校で人生が決まるわけではない。入学した高校で、精一杯頑張って、大学受験で花を咲かせることもできるんだぞ。」
等と仰る先生もいます。
改めて聞いてください。
今は学習していない単元がある状態で赤本などに手を付ける時期ではありません。
学校の定期テスト、実力テストを意識して勉強を進めるべきです。
過去問を解き始める時期は、もう少し後で大丈夫です。
はっきり言うと、志望校が12月の懇談で確定してからで間に合います。
学校の授業重視で大丈夫
まずは、学校での勉強に軸を据えて、学校のテストでのスコアを挙げていきましょう。
今回の実力テストが上手くいかなかった子、
大丈夫です、まだまだ中学校の「想定得点」を書き換えてもらうチャンスはあります。