授業で使うプリント
こんにちは149teacherです。今日は中学校の授業進度について思っていることを書かせてください。
私の勤務する塾は、中学生科の生徒については地元の特定の公立中学校の生徒限定でお預かりしています。
なぜかというと、各学校の定期テストが近付くと通常の学力別クラス編成を一度解体し、学校別クラス編成に組み直してテスト前3週間ほどは各学校の定期テストにターゲットを絞った「テスト対策授業」を行うからです。
テスト対策授業期間中は、担当する中学校のテスト範囲に合わせて教材を作ります。
高校入試のことを考えると、子どもたちの『内申点』(これが本当に怖い言葉ですね。内申点についてはこれからも色々書かせてください。)を少しでも上げるために、中々ハードな教材準備が必要になってきます。
お子さん達が通われている学校でも同様だと思うのですが、学校の先生方はよ授業中にプリントを配布されることが多いです。
穴埋め式のサブノート形式が一番多いですよね。生徒に配布したプリントをもとにして、授業を進行しながら自作のプリントの( )に言葉を書かせていく。
このやり方は、私は好きです。
私なんかが子どものときは、学校の先生は何年も使い古したようなノートを教室に持って入って、そのノートを見ながらガツガツと黒板に板書をする先生が多かったように記憶しています。
先生の話を聞きながら、ノートも取らなければならない。もう大忙しです。黒板も見ないといけないし、自分のノートにもテキパキ書きこまなければならないし。
それに比べると、プリント形式にして生徒に重要事項を書かせるサブノート方式は大変有効だと思います。
でも、ここで一言、とても気になることがあるのです。
特に社会(その中でも歴史)。
情報過多のプリント…
20年ほどこの仕事をしていますから、色々な先生のプリントを拝見します。
昔ながらの手書きで、1枚のプリントにできるだけ丁寧に情報を整頓しようとされている力作もあります。教科に対する熱意をひしひしと感じます。
一方で、色々な資料や写真などをこれでもかという位ギュッとB4版のプリントに押し込んでいるプリントもあります。社会の先生ならではのこだわりなのかもしれません。
こういう、「情報押し込み型」のプリントを作っている先生は、往々にして雑談が多いです。
いわゆる歴史上のエピソードです。
いちいちここで書くことはしませんが、やはり歴史に興味を持たれている先生方からすると、「歴史っていうのは一人ひとりの人間が作り出したもので、ときにはこんなエピソードもあるんだよ。」と子どもに伝えて、その面白さを少しでも分かってもらおうとしているのかも知れません。
でもね、多くの子どもは興味がないんです。
私自身、中学生当時の自分を振り返ってみると、そういう先生のエピソード系雑談は、決して面白いものではありませんでした。
だって、「俺はこんなにたくさんのことを知っているんだぞ。」という先生の自慢にしか聞こえなかったから。
むしろ、嬉々として雑談を続ける先生に対して、心の中では「早く次の説明をして欲しいな。」と思ったものです。
歴史上の様々なエピソードに触れて関心をもつことはとても有意義だとは思います。
ただ、悲しいかな、暴走している先生は恐らく自分に「酔って」いるのだと思います。子どもは実に鋭く自己満足に陥っている授業を見抜きます。
授業がなかなか進まない…
我々教師の仕事は子どもに「理解してもらうこと。」もっとはっきり言うと、「子どもに点を取ってもらうこと。」なのです。
自分の知識を子どもに対してひけらかすことではありません。
一概には言えませんが、社会科の先生に特にこの傾向が強いような気がします。
その結果、2年生が終わろうとしている時期になっても、脱線が多すぎてまだ歴史の江戸時代も終わっていない、という状況に陥ります。
あの、公民はどうしたらよいのでしょうか?
入試問題の配転割合を見ても、公民を無視してよいはずがありません。
基本的には、歴史の授業は中3の1学期には履修が終わっている必要があるはずです。
そうでないと、公民分野の学習が受験に間に合わないですよね。
ですから、私の塾では中3生に対して計画的に社会(公民)の授業を行っています。彼らの受験勉強がスムーズに進むように。
でも、やはり心の中ではモヤモヤしたものが残ります。
私は、学習塾は学校の勉強を「補完」するものであると思っています。
学校で学んだことをもう一度定着させたり、学校の授業だけでは理解が不十分であったりする子どもたちに対して、個々の力に応じて救いの手を差し伸べるのが塾だと思っています。
ベースが学校なんです。だって、子どもたちが学校で学ぶ時間って本当に長いですよ。
(もちろん多くの先生からしたら、当たり前のことなのですが)学校の先生方には、計画的な授業運営を心掛けて欲しいなと心から願います。
模擬試験の範囲は習いましたか?
そして、お母さん方、「うち子の学校、大丈夫かしら。」と思われたら、模擬試験の出題範囲を参考にしてください。
模擬試験を作成・運営している会社は、一般的な授業進度を目安にして各回のテスト範囲を決めています。
もし子どもの学習範囲が模擬試験のテスト範囲に追い付いていなかったら、授業は遅れています。
懇談などで先生に「本当に大丈夫ですか。間に合うのですか。」とプッシュして下さい。
何より、子どもが「この進み方で受験に間に合うのかな。」と不安に思うことがないように援護射撃をしてあげて下さい。