短いけど嬉しい春休み
小中学校では3学期が終わり、子どもたちは春休みに入りました。
春休みは2週間程度ですが、子どもたちにとっては中々嬉しい2週間でもあります。
その理由の1つに、あまり宿題が多くないことが挙げられます。特に小学生。
年度替わりということもあって、宿題のボリュームもやや少なめなんでしょうかね。
そして、気候も丁度良いので、気分も爽快です。
今はコロナ対策もあって、子ども達もあまり自由に出歩いたり、友達と遊びに行ったりすることができにくいとは思います。
それでも、暑すぎもなく寒すぎもないこの季節にまとまった休みがあることはとっても嬉しいことだと思います。
「春眠暁を覚えず」とまではいかないまでも、ついついのんびりしてしまいたくなりますね。
新しい学年、新しいクラス、新しい先生…。
子どもたちは新しい1年を控えて、ドキドキ&ワクワクしながらこの時間を過ごしているのではないでしょうか。
塾の講習会があった!
一方で、新聞の折り込みチラシを見てみると学習塾の広告がバンバン入っています。
当然ですが宣伝文句は
- 今年の入試実績!○○高校 △△名合格!(合格者占有率□□%!!)
- 今からスタート!新年度先取り講座!春期講習会から参加される場合は入塾金ゼロ円!
授業料最大○か月分無料!!
友人紹介で△△△プレゼント!!!
転塾応援!そして今年は、中学生の教科書改訂に合わせて - 勉強が難しくなります!!今から対策を取りましょう!!
みたいな感じですね。
もちろん学習塾も事業ですから、どんどん生徒さんを集めて経営を安定させなくてはなりません。
授業が安定していなければ、優秀な人材を育成したり、確保したりすることは難しいですから。
ですから、私は学習塾の春期講習を全面的に否定する訳ではありません。全面的には、ですが。
どうして無料にできるの?
私も学習塾の講師の端くれです。
言うならば学習塾業界の側の人間なのですが、素朴な疑問があります。
「どうしてあんなに無料講座を提供できるのか?」
ということです。
当然ですが、無料講座とはいっても講師は必要です。
その講師に対する人件費は発生しています。
でも、授業を受ける側は「無料」
人件費はどこから捻出されているのでしょうか?
また、恐らく春期講習は優秀な講師が担当することが多いと思っています。
学習塾では、春期講習は
「新規生の獲得」が大きな目標になっていると思います。
春期講習会で初めてこの塾を体験する。
⇨先生の授業がとても魅力的で分かりやすかった。やる気が出てきた!
⇨新年度はこの塾に正式に入って、勉強頑張ろう!
という流れを期待しているのが春期講習だと思っています(間違っていますかね?)。
そうなると、やっぱり人件費は重要なはず…。
損して得とれ
「損して得とれ」という言葉があります。
一時的に損をしても、いずれは大きな利益を生み出せるように商売せよ、という意味です。
入塾という入り口の経済的なハードルを低くして、まずは受講生を募る。
春期講習の受講料を無料にすることは、この「損」に当てはまると思います。
そして、エース級の講師を使って、できるだけ魅力的な授業をガツッとおこない、受講生にインパクトを与えます。
気に入ってもらえたら、正式な(本科生などに)入塾に導きます。
ここから後は通常の授業料を徴収。こっちが「得」。
春期講習でマイナスになった分は、その後の通常授業で取り返せばOK。
ビジネスモデルとしては、十分理解できます。
いや、むしろ王道かも。
お母さん達だって、
子どもを塾に通わせているけれど、今の塾が本当に合っているのかどうか不安だ。
そんな不安感の中で、「春期講習は無料にしますから、一度うちの塾を試してください!」
という宣伝を見たら、検討しますよね。
選択の自由の幅が広がることは、決して悪いことではありません。
塾教師としては
大手塾さんを敵に回すつもりは毛頭ないのですが(というか、私なんて眼中にないと思いますが)、
塾で生きている私にとっては、何かモヤモヤするものがあります。
私には、どうしても「無料」というのが引っかかってしまうのです。
だって、無料な訳がないじゃないですか。授業の運営コストが。
消費者が料金を負担しないからと言って、そのサービスがコストゼロで実現できるはずがありませんよね。
ということは、どこか別のところにコストのしわ寄せがきているはずです。
例えば、通常授業に戻ったときの授業料。
例えば、教材費、システム維持料、教室維持費…。
もちろん、お金を出す保護者の皆さんは十分納得の上で通常の授業料をご負担なさっていると思います。
でも、私個人としては、何となく「もやもや」してしまうのです。
「何にいくら費用が掛かるのか、具体的にはっきりとさせて欲しい」と。
無料で提供できるはずのないものを、無料と言われてしまうと、
「何かウラがあるのではないか?」と勘ぐってしまいます。
そういうのって、あまり健全ではないように思ってしまいます。
「うちの子も塾にいれようかしら…。」と考えているお母さん達だって、
「結局、講習会とかテキスト代とか含めたら、総額で年間どの位お金がかかるのかしら?」
という不安をお持ちだと思います。
そこまで細かい情報は、各塾のHP見ても中々はっきりと分からないですし。
学校の進度と離れすぎても…。
当たり前ですが、子どもたちは学校に通っています。
学校で日々勉強を進めていきます。
もちろん、学校の授業の進度については私も思うところはあります。
でも、だからと言って学校の進度を全く無視して、塾でゴリゴリ授業を進めていくことにも正直抵抗があります。
だって、子どもにとっては負担ですから。
特に、勉強に対してまだまだ自覚が足りていない子どもにとっては、学校が2つあるみたいで辛いと思います。
また、勉強のできる、いわゆる「意識の高い」子どもにとっても、良いことばかりではないと思います。
なぜなら、そういう子どもたちは、自分の通う塾の進度を基準に考えてしまって、
「学校の授業は遅い」と、学校に不満を持ちがちだからです。
いずれにしても、塾の学習進度が学校と比べてあまりにも早いのは、私は賛成しません。
やはり、少し早めに塾で習っておいて、忘れかけた頃に学校で同じ単元をもう一度学び直す。
この位のペースがよいのではないかな、と考えています。
ちなみに、
私の勤める塾は、実は春期講習会は実施していません。
3月に新年度を開始しますが、いわゆる春休み期間中はそのまま通常の授業のみを行います。