分かりやすく伝えることが難しい

149teacherです。
今日も私の記事を読んで下さって有難うございます。

私のブログ記事がお母さんたちにとって、どれ位役に立っているか分かりませんが、
自分の塾教師としての経験を踏まえて、今日もお話させて下さい。

今日のテーマは
子どもに伝えることの難しさです。

 

思い通りに伝わらない

家でも学校でも、もちろん塾でも、大人が子どもに何かを伝える必要があるとき。
大人は、自分の言いたいことが正しく伝わるように、言い方などを工夫します。

それでも、ちゃんと伝わらないときが少なくありません。
家庭内では、「お母さんの言ったこと、分かっていないの!」と怒りたくなる時もあると思います。

例えば、仕事で忙しいお母さんが、子どもにこう言います。
「今日は塾がある日ね。忘れないで、ちゃんと塾に行くのよ。」

子どもは、お母さんとの約束通り、塾に行きました。
ところが、塾に行ったのは良いものの、真面目に勉強する気が全く起きず、
ついには先生にひどく怒られました。

そして、塾から電話がかかってきます。
「お子さんのご様子が少し不真面目でしたので、注意をさせて頂きました。
ご家庭でも、塾に行く意味、勉強する意味を親子で話し合って頂きたい。」

 

行けって言うから行ったじゃん!

お母さんは子どもをリビングに呼び、注意をします。
「あなた、今日塾で先生に怒られたのね。今、電話があったわ。
何でちゃんと授業を聞いて、勉強しようとしないの!」

子どもは子どもで、
「塾にはちゃんと行ったんだからいいじゃん!」
と返してくることがあるかも知れません。

言葉で返してくる子どもは、まだ良いかも知れません。
困るのは、何も言わずに心の中にため込む子ども。

屁理屈かも知れないけれど、何か返したい。でも、ここで何か言ったら、ママにもっと怒られる。

だったら、言いたいことはあるけれど、もう黙っていよう…。

 

言葉の温度差

お母さんからすると、
「塾に行きなさい。」というセリフには、当然、「しっかり勉強してきなさい。」という意味が含まれていると考えます。

でも、子どもは必ずしもお母さんが伝えようとしているメッセージを正確に理解しているとは限りません。

「塾に行け。」と言われたから、塾に行った。
それ以上でもそれ以外でもありません。

むしろ、いいつけ通りに塾に行ったんだから、褒めて欲しいくらい。

「行けば良いってものじゃない位、分かるでしょ!」
というお母さんのお怒りは十分に分かりますが、
一筋縄ではいかないのが子育てです。

いや、子育てというよりは「子どもとのコミュニケーション」なのかも知れません。

 

親から歩み寄らないと

お母さんの言葉のあげ足をとるような子どももいますが、そうであったとしても、大人が説明を尽くす必要があると私は思います。

「その位、分かるでしょ。」という所を、敢えて言葉で伝える。
これか大切だと思います。

子どもが小さいときから、この作業を繰り返すのです。
言い方を代えて子どもに伝えると、子どもはそれだけ多くの言葉を耳にします。

そして、同じメッセージを伝えるにも、いくつかの言い方があることを覚えます。

これだけでも、相当な学習効果です。

「ちゃんと塾に行きなさい。」から発展させて、

「今日の塾は算数と国語だね。新しいこと覚えてきてね。」
「まだ学校で習っていないことを教わったら、結構、得だよね」
「塾でとっても役に立つことを教えてもらったら、帰ってきてから、お母さんにも教えてね。」

子どもは「塾に行く」という言葉に色々なニュアンスが含まれていることを覚えていくはずです。

 

親子で「契約」する

「契約」というと、何だか堅苦しいですが、
「お互いに約束したことは守る」
「約束を守ったら、親は子どもを認めて、誉める」

こうやって、お母さんが言葉を大切にしながら、子どもに接していると、子どもも一つひとつの言葉の意味を噛みしめるようになると思います。

契約ですから、内容は細かく決める必要があります。
「塾に行け。」
だけではなく、

「塾に行きなさい。
そして、教えてもらったことが理解できるように、しっかりと集中して先生の話を聞きなさい。」と。

そして、子どもが契約通り、塾で新しい知識を身に付けて帰ってきたとします。
その知識をお母さんに自慢気に披露します。

子どもは誠実に契約を実行したのですから、大いに褒めてあげてください。

中には、お母さんから見て、「そういうことじゃないのにな…。」というときもあると思います。
それでも、しっかりと子どもを褒めてあげて欲しいのです。

 

反論

そんなことやっていたら、子どもは
「言われていないことは、やらなくて良い。」
「言われたことだけやれば良い。」
と、思うのでは?

という反論は、当然考えられます。

要は、指示だけに従って、自分から動くことができない子どもになってしまうのではないか?
という心配ですね。

確かに、子どもが中学生位になると、この手はあまり効果がないかも知れません。

ですから、タイミングが大事です。

 

小学生のうちが勝負です

確かに子どもが「指示待ち人間」になってしまっては困ります。

そのためには、子どもが小学生の間に、親が語り尽くさないといけないのではないか、と思っています。

子どもが学校に通う前、とっても幼い時のことを思い出してください。

お母さんが、何か(その靴下をママのところに持ってきてちょうだい、位の)お願いをしました。
子どもは嬉々としてお母さんのお手伝いをしてくれることが多いです。
なぜなら、お手伝いをすると、お母さんに褒めてもらえるから。
お母さんに褒めてもらえることが、何よりも嬉しいから。

そして、次にはお母さんをびっくりさせるために、お手伝いの先回りをします。

お母さんは、それを見て、文字通りびっくりします。
「自分からこんなお手伝いしてくれたの?」
「お母さん、びっくりした!」
「とっても助かったわ。ありがとう!」

子どもの嬉しさはマックスです。
大好きなお母さんを、びっくりさせる位に喜ばせたのですから。

こんな気持ちが前面に出るのは、いいとこ小学生まででしょう。
ですから、子どもが小学生の間までが勝負です。

 

お母さんの期待に応えたい

お母さんの期待に応えることに嬉しさを感じることができた子どもは、色々先回りして、もっとお母さんをびっくりさせようと思います。

この作業の繰り返しで、子どもは相手の言葉の真の意味を理解しようと思うのではないかと感じます。

ですから、小学生をお持ちのお母さん、大変なときもあると思いますが、子どもはに言葉を尽くして下さい。

そして、少し大げさな位に子どもの行動を認めてあげてください。

そうすることで、相手の言葉を深いレベルで読みとろうとする子どもが育つと信じています。

「言われていないから、分からない!」
なんて口にする子どもが育つより、ずっと素敵だと思いませんか?

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