塾の教師という仕事

  • 2020年1月27日
  • 2020年2月20日
  • 雑談

こんばんは、149teacherです。

本日、月曜日は私、お休みの日です。
土日の授業の疲れを取ろうとしながらも、寄る年波に中々勝てず、只今妻が夕食の準備をし始めてくれています。

この記事を書き終わったら、妻に合流して、ヒレカツ&サラダ&豆腐&味噌汁の夕食を作ろうと思います。

塾の先生として生きていくこと

私は1970年生まれの49歳。
大学を卒業して、色々あったものの、現在は学習塾の教師として生きています。

今日現在で、長男が高校1年生・長女が中学2年生・次男が小学6年生。

豊かな生活、とは言えないと思いますが、妻と子供3人の5人家族で楽しく暮らしています。元々大学を卒業して、新卒で就職したのは大手の電器メーカーでした。

とても良い会社だったのですが、私の指導担当の先輩社員とどうしても折り合いが合わず、2年で退職してしまいました。

その後、ウロウロしながら、学生時代にアルバイトで補助講師をしていた今の職場に専任教師として就職。

ご主人が塾の教師の方っておられますか?

私自身は、学生時代に塾でアルバイトをしていたこともあり、塾の先生に対しては
「すごいなぁ」「かしこいなぁ」位の気持ちしか持っていませんでした。

で、自分が実際に学習塾の教師として働き始めると、周囲の人から面白いくらいに面白い反応が返ってくるのです。

塾の先生で生活できるの?

一番分かりやすいのがこの質問です。

「塾の先生で食べていけるの?」

いや、食べていけなければ飢えてしまうじゃないですか。

でも、このセリフに、今の学習塾の先生の立ち位置が凝縮されているように思います。

要は、塾で働いている人が結婚して、家庭を持って、子どもを育て上げることができるの?
という疑問なんでしょうね。

塾の先生は大学生のアルバイト?

この素朴な疑問の根源は、
家庭教師や塾講師は大学生のアルバイトがやっているんでしょ?という感覚から来るのだと思います。

実際に今、自分の子どもを塾に通わせている保護者の方の中にも、
学生時代に塾教師のバイトをしていた、という人がそこそこいます。

塾の先生って、学生のバイト、って思われがちなんですよね。
実際に、少なくない塾が、大学生のアルバイト講師を使って塾を運営しています。

私は塾教師でキャリアを終えたい

私は塾教師を本職としています。

この仕事で家族を養っています。
そういう人も、いるんだな、と知ってもらえたら嬉しいです。

何か、学習塾って、究極の「ニッチ産業」みたいに思われがちですよね。
そういう面も否定できませんが。

でも、私や個人塾で頑張っておられる先生方みたいに、

学校ではない教育現場で、子どもたちのサポートを何とかしてあげたいと思って
体を張って働いている人材は少なくありません。

商業ベースに乗って

小学校・中学校の校門前で消しゴムを配りまくっている大手塾さんと
そんなことにコストを使わずに、少しでも授業料を低く抑えたいと考えている塾。

〇〇高校△△が合格!と華々しく折込チラシやWebで宣伝する大手塾さんと
一人でも第1志望に落ちたら我々の負けなんだ、と自分を戒めている塾。

「今なら転塾キャンペーン!他塾から転塾される方は入塾金免除!」とお得感を押し出す大手塾さんと
新規の入塾に際しては最低限のコストを負担してください、とお願いする塾。

もっと書きましょうか、この際。

少し前の話ですが、私の塾を止めた中学生の女の子がいました。

お母さんが、成績が思うように伸びないという理由で転塾しました。
成績は上がり調子だったのですが、お母さんの期待に応えることまではできなかったのでしょう。

彼女が退塾してから数か月後、たまたまその子に会いました。
子「先生!お久しぶり!」
私「おぉ~、〇〇!元気にしてるか?」
子「ありがとうございます。元気に頑張ってます。」
私「そういえば、お前、今の塾のチラシに数学20点上がりました!って載っていたな。すごいな。」
子「いや、あのね、私今の塾では英語しか受講してないの。でも、数学の得点が上がったからって、勝手に使われちゃったの。」

大手の経営者様へ

私のような小物が何を言っても相手にして下さらないことは重々承知しています。

でも、言わせて下さい。

あなたを豊かにするためだけに、教師や保護者や、何より子どもを犠牲にすることはしないでください。

もしも、子どもをダシにしてあぶく銭を稼ぎたいのであるならば、ホームページやチラシではっきりとそう表現して下さい。

〇〇高校△△名合格と大々的にアピールしたいのならばそれはそれで仕方がないと思います。
でも保護者や子ども自身は、「分母」を知りたいのではないでしょうか。

A高校60名合格!
の分母(受験者)は60名なのでしょうか?それとも200名なのでしょうか?

私は生涯塾教師でいたい

毎日のように新聞の折り込み広告に入ってくる大手学習塾さんのチラシを見るにつれて、
私は切なくなります。

もちろん、成功した子どももいるでしょうが、
広告宣伝費をオンした授業料を徴収して、それだけのパフォーマンスを一人ひとりのユーザーに提供できているのでしょうか。

現場で働いている先生たちは、
日々、教室に段ボールを敷いて仮眠していませんか?

日曜日は休みですと面接のときに言いながら、
模擬試験の監督やら勉強会の監督やらと理屈をつけて
休日出勤させていませんか。

仕入れ値が1000円くらいの塾用教材を3000円とかで保護者に買わせていませんか?

「お宅のお子さんには、〇〇の授業が必要です。」
とか言いながら、少しでもお金を巻き上げようとしていませんか。
いや、現場の職員たちに強要していませんか?

そして、受験に失敗した子どもの家に
2000円くらいの菓子折りを持たせて、教室長にお詫びに行かせていませんか?

そんな仕事を現場の職員にさせて、彼らが仕事にプライドを持てますか?

彼らが塾に誇りを持てますか?

運よく合格した子どもやその保護者が「塾ナビ」によい口コミを書いてくれればそれでよいのですか?

不合格だった子どもは
「指示通りに勉強・宿題していなかった」
と抗弁すれば、自分の責任にはなりませんか?

私は、そんな塾は嫌です。

私は一人の職業人として、

一人の大人として

一人の親として

生徒一人ひとりに、そして保護者一人ひとりに

誠実に向き合い続けます。

 

twitterなどで、地道に頑張っておられる先生方と知り合うことができました。

お母さん方の選択は自由ですが、

是非とも「地に足を付けた」「腹を括った」先生にお子さんを預けて頂きたいな、と思っています。

私も、生涯塾の教師として子どもを責任もって預かりたいと思っています。

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