数字を見るだけじゃダメです
こんばんは、149teacherです。
小学生の子どもも、中学生の子どもも、塾に通っているならば模擬試験を受けることがあります。
子どもの学力を客観的に把握するためのツールとしては大変有効なものです。
ただ、同時に周りの大人が冷静に子どもの模擬試験の結果を受け止めて、分析する必要があるのではないかと思います。
模擬試験の成績表を見ると、当然まず目に入るのが各教科の得点。そして偏差値。さらに順位。まだありますよね、志望校の合格可能率。
数字だらけの成績表を見て、お母さんが思うことは一杯あると思います。
「算数(数学)の偏差値が下がっている!」
「順位が下から数えた方が早いじゃない!」
「第1志望校の判定が”C”って…。」
どうしても、ネガティブな面が目立ってしまうと思います。そしてついつい子どもに厳しい言葉を投げかけてしまうと思います。
気持ちはものすごく分かります。こんなに応援して、気を使って、塾にも通わせているのに、どうして応えてくれないの?と辛い気持ちになると思います。
私の勤務する塾では、小学生の子どもに教科書内容を問う模擬試験を受けてもらっています。志望中学の判定などもしますが、基本的に学校での勉強内容を理解しているかどうかを問う模擬試験です。この試験の結果ですら、お母さんに色々な感情を与えてしまいます。
学校の懇談では「頑張っていますよ。大丈夫ですよ。」と言われていたのに、塾で受けた模擬試験では算数と国語2科目の総合偏差値が49。
えっ、50に届いていないの…?うちの子、大丈夫じゃないの?
中には感情的になって、私との懇談で怒りを露にするお母さんもおられます。その気持ちは丁寧に受け止めて、結果が得られなかったことについては心から申し訳なく思います。
成績表を分析する
でも、同時にお母さんにこういう話も聞いて頂きます。
模擬試験は本番ではありません。子どもの学力を分析するツールです。この模擬試験で子どもの人生が左右されるものではありません。「模擬」ですから。
「模擬」試験で色々な問題にあたらせて、子ども一人ひとりの各単元の理解度を図ることが大切なんです。例えば、理科ならば大地のつくり(地学分野です)についてはまずます得点できている。一方で気体の性質(化学分野ですね)については全く得点できていない。それならば、失点の多かった単元を改めて復習させるように子どもに話せばよいのです。
「あなたは、大問2の地層の問題は随分と良い出来だったと思うよ。これは立派だね。でも、大問4の酸素・二酸化炭素の問題だと、もったいないミスがあるよね。あまり楽しくないと思う内容かもしれないけれど、地層の問題がこれだけ出来ているのだから、気体の問題も丁寧に解き直したら、必ず出来るようになると思うよ。お母さんも手伝うし、難しすぎて分からなかったりしたら、塾の先生に聞いてみたら?」と。
出来ていないことをあげつらうことは比較的易しいですが、まずは子どものできていることを認めてあげることが大切なのではないかと思います。
できていることはしっかりと認めてあげて、その上で「君なら大丈夫。」と背中を押してあげて、今日現在子どもが苦手としている単元にもう一度向かい合う機会を与えてあげることが、本当の「勝負」に向けて弱点を減らしていく最善の方法なのだと思っています。