志望校、どうしよう
中学3年生の子どもを抱えるお母さんにとっては、緊張が高まる時期になってきました。学校の懇談で、志望校についての話が具体的に出てくるかと思います。
とはいえ、今(7月)は最終決定ではありませんから、親子で話し合って考えた内容をストレートに先生にお伝えすれば良いのではないかと思います。
子どもの志望校を決めるのは、本当に骨が折れます。家庭によって事情も様々です。
① 親子そろって、この高校しかない、と強く心に決めている学校がある。
② お父さんやお母さんが、〇〇高校より下のレベルの高校には行って欲しくないと願っている。
③ 子どもが(自分の実力はさておき)、△△高校しか行きたくないと強く主張する。
④ 子どもが勉強嫌いで、とにかくお金のかからない公立高校に行って欲しいと思っている。
書き始めて改めて気付きましたが、パターンは無限ですね。今まで担当した子どもやお母さんのことを思い出すと、いくつかのグループにまとめるなんている作業は不可能だと思いました。
でも、一つ強調したいことがあります。それがこの記事のタイトルです。
親としては、少しでも偏差値の高い学校に合格してもらいたいと思う。これは当たり前ですよね。その次に控えている大学入試も視野に入れると、レベルの高い集団で、質の高い授業を受けて欲しい。もっともです。
ただ、レベルの高い高校に入ったからと言って、子どもの偏差値も自動的に上がるのかと言われると、必ずしもそうではないと思います。首の皮一枚で入った高校で、自分よりはるかに出来の良い級友たちに囲まれて、「今に見てろよ!」と奮起する気概を持った子どもなら3年間の高校生活も耐えられると思います。でも、すべての子がそうとは限りません。
反対に、かなり余裕のある学力で合格した高校で、さして努力もせず、あまり勉強に困りもしない環境で子どもが3年間を過ごす。本人は青春を謳歌したのかも知れないが、その先の進路は大丈夫なのか、という心配だってあります。
結局は、入学してみなければ分からないという不確定要素の方がはるかに多い中で、親子で志望校を考えていかなければならないのです。
もちろん偏差値情報は大事です
この悩みを解決する一つの判断基準として「偏差値」は大変有効なデータだと思います。偏差値55の学校より、偏差値58の学校の方が良い学校なのではないか、と考えることはごく自然なことです。偏差値44よりは46…。
でも、偏差値だけで判断することもやや危険だと思います。
子おもはその高校に3年間通います。せっかくならば充実した3年間を過ごさせてあげたいと思うのも親心だと思います。
そこで1つの提案なのですが、「気になる高校を見に行く。」というのはいかがでしょうか。
「それはオープンハイスクールがあるから分かっています。」と思われますよね。確かにそうです。オープンハイスクールは是非参加してください。中学の懇談でも、志望校と言っているのにオープンハイスクールに行っていない、と答えると先生に結構イヤミを言われる可能性が大です。「行きたいと言いながら、関心が薄いな。」と思われてしまいがちです。
私がお母さんたちに見に行って欲しいのは、「普段の学校の姿」です。オープンハイスクールは確かに高校の姿を直接見ることのできる大変貴重な機会です。でも同時に、少々の誇張が含まれたイベントです。どこの高校も、自分たちを良く見せようとしますから。
では、別の手段は何か。
土曜日や日曜日に、しれっとその高校に行ってみるのです。
素の姿の高校
もちろん、授業は行われていません。ですから、授業内容を確認したり、先生のお話を聞いたりすることはできません。
でも、部活動は行われています。
ネット等をチェックして、主だった部活のリーグ戦などを確認します。気になる高校が会場になっていたら、保護者のふりをして高校に行ってしまいましょう。
部活動をしている高校生たちは、オープンスクールのときのような、大人に指示された行動をしません。普段通りの姿です。その高校に通っている高校生たちのリアルな姿を観察することができます。
ある高校では、私が学校の敷地内に入っていくと、すれ違う生徒一人ひとりが私の姿を見るや立ち止まって「こんにちは。」と挨拶してくれました。びっくりしましたよ。教育が行き届いているなぁ、と。
もちろん、昨今の学校にまつわる事件・事故などを考えると、ある意味「不審者」と見られかねない行動ですので、どんどんやって下さいとは言いづらいところではあります。
でも、ママさん友達の中で、気になる高校にお子さんを通わせている方などがおられたら、「一度、普段の姿を見せてもらいたいの。」と言って、ママ友のお子さんの試合の応援に同行させてもらうなどできたら、とても新鮮な情報がお母さんの手に入ると思いますよ。