令和2年度高等学校進学希望者数等調査
9月も後半を迎えて、体育大会の練習などでヘトヘトになっている子どもも多いと思います。
こんにちは、149teacherです。
何かと学校行事の多い2学期ですが、高校受験を控えた中学3年生のお母さんにとっては、子どもの受験も当然ながら気になってくる時期です。
公立高校の受験区で言うと、私は兵庫県の第2学区の地域にある塾で働いていて(自宅も同じ地域にあります)、日々兵庫県の教育委員会のHPをチェックしています。
兵庫県養育委員会のHPでは、例年通りでしたら、あと1週間~10日ほどで進学希望調査のデータが発表される時期です。
昨年のデータは
ちなみに昨年度の発表ページは以下にあります。
上のリンクから開いてもらったページの下から7番目の項目、
平成30年9月28日付の「平成31年度高等学校進学希望者数等調査の結果について 」
というページを開くと、昨年度の進学希望者数データを見ることができます。
今のうちに心構えを
毎年発表されるデータですが、このデータの意味を正しく理解しておかないと、受験生を抱えるご家庭では、不必要な混乱を招いしてまうことになるかも知れません。
このデータは当然ですが、各受験生の受験校が確定したデータではないことをしっかりと覚えておいてくださいね。
では、このデータは何に使われるかと言うと、2学期の学校の進路指導の参考値として使われます。
例えば、ある高校の希望者数が31年度よりも増えている。
要は人気がある、という解釈ができますよね。
つまり、中学校の先生方はこのデータを基にしてボーダーライン上や、その下のラインにいる子どもに対して、志望校の再考を促すことがあります。
「君が希望している高校だけど、人気が上がって倍率が高くなりそうなんだ。中々厳しい戦いになると思うのだけれど、大丈夫か?お父さんやお母さんと改めて相談して、志望校を考え直すことも検討した方が良いと思うよ。」
この先生からのアプローチに対してどう対応するかがポイントです。
第2回進路希望調査の前に切り崩す
言い方は悪いですが、先生方は少々学力的に無理のある公立高校を第1志望にしている子どもに対して、この9月のデータを基にして「路線変更」を求めることが多いのです。
もちろん、中には随分と高望みした高校名を挙げる生徒(家庭)もいます。そんな子供には、データを基にして、はっきりと「無理だと思うよ。」と諭します。
難しいのが、ギリギリ判断に迷うライン上の子ども。先生方は自分たちの手持ちデータも参考にして、その子が合格する見込みがどれくらいあるかシミュレーションします。
そして、子どもの持ち点が、過去(主に昨年度)の卒業生のデータに照らし合わせ、第1志望に不合格だった生徒の有無などを見ながら志望校の「切り崩し」に入っていきます。
シミュレーション?
兵庫県の公立高校は、内申点250点(主要5教科の評定×4、実技系科目の評定×7.5)と3月12日に行われる入試の得点250点(5教科で500点満点のテストの得点を2分の1倍)したものを足した500点満点で計算されます(第1志望加点20点等がありますが、ここでは割愛します)。
中学の先生方が9月の時点で計算している子どものシミュレーション値とは、
内申点については、主に3年生の1学期の評定
9月の実力テストの得点を入試得点と「みなし」、この得点を2分の1倍したもの
この2つを足して、子どもの想定得点とします。
そして、昨年度の卒業生のデータと子どものシミュレーション値を見比べて、何点くらいなら合格しているか(していたか)を見ます。
例えば、県立伊丹高校を受けたいと言っている子どもがいます。この子のシミュレーション値は500点満点で350点だったとします。
先生が持っている昨年のデータを見ると、県立伊丹高校に第1志望で通った子どもの最低点は360点。
つまり、この子は昨年データに当てはめると、不合格であった可能性が高いです。
そこで、先生は子どもを呼んで、現状では第1志望の県立伊丹高校に受かることはかなり難しいといった話をします。
また、家に帰って家族と、もう一度相談するように、と指示します。
決めるのはご家族ですから!
合格可能性が厳しい子どもやその家庭に対しては、先生は「どのように説得したらよいだろうか?」と悩みます。
そして、まずは子ども本人に話をします。
「第1志望校、受からないとは言い切れないけれど、結構厳しいぞ。大丈夫か?今から半年間、必死になって勉強しなくっちゃいけないぞ。」
「受かったとしても、学年の底辺の方で3年間苦しむかも知れないぞ。そんな状況で部活動やら何やらと、充実した高校生活を送ることができるかな?先生はその点が心配なんだ。」
こどもは、悩みますよね。
受かったとしても、勉強についていけないかも知れない…。そんな辛い思いまでして、その高校に入るべきか…。
それとも、1ランク落として、集団の中である程度余裕のあるポジションで前向きに勉強を頑張るか…。
話を聞いたお母さんだって悩みます。
子どもにとって、どの高校へ行けば楽しく高校生活を送ることができるのか?でも、学歴は高校で終わりじゃない。ちゃんと大学進学まで見据えた進路を選んで欲しいし…。
どうしたら、良いのだろう。学校に電話して、先生に直接相談しようかな。
…でも、思い切って相談をしたとしても、先生の返事は決まっています。
「最終的にはご家庭でのご判断です。」
当然ですが、先生が「だったらこうしましょう。」といって具体的な志望校の指南などはして下さいません。
第1志望を取るか第2志望を取るか
少し厳しいかもしれないけれど、第1志望の高校を変えたくはない、と先生に伝えると、次に話題にのぼるのが第2志望の高校です。
どうしても、第1志望を譲ることができないのであれば、第2志望校のランクを下げて下さい。
というものです。
第2志望の選択が曲者なんです。
実際のケースですが、
- 第1志望:目標偏差値62
- 第2志望:目標偏差値55
という生徒がいました。
内申点は十分勝負できる内容なったのですが、実力テストの結果が少し物足りませんでした。
で、学校の先生の提案は、第1志望を変えずに、
- 第1志望:目標偏差値62(変わらず)
- 第2志望:目標偏差値42
というものでした。
この子どもから「どう思いますか?」と相談を受けた私は、「先生の提案を全力で拒否しなさい。」と伝えました。
いくら万が一のことを考えてと言っても、限度があります。
もちろん、その子供は当初の予定通りの志望校選択をしました。
先生にも分からない
私は別に学校の先生を貶めようと言いたい訳ではありません。
先生にも分からないことが多すぎるのです。
例えば、子どもが志望校として挙げた高校、これが、過去にその中学校から受験した子どもがいない場合。
先生たちにはデータがありませんから、何とも返事ができないのです。
「塾で受けた模試の成績表を見せたら良いのでは?」
と思われるお母さんもおられるかと思いますが、学校の先生は模試のデータはことさらに見ようとしません。
私の我が子の懇談のときに模擬試験の成績表を持参し、先生に見せようとしましたが、チラッと見てくれるだけでした。
メモを取ったりするようなことは一切されません。
ですから、卒業生が受けたことのない公立高校に対しては、学校からすると「ブラックボックス」です。
そのような学校を志望すると、間違いなく止められます。
まずは教育委員会のデータを読みましょう
学校との「戦い方」と言うと穏やかではないですが、交渉の仕方はこのブログで少しずつ記事にさせて下さい。
少しでもお役に立てる情報を紹介していきます。
まずは、今お母さん方が行うことは、
- 兵庫県教育委員会の報道発表をチェックして、最新の志望動向を把握しておくこと
- 家族でしっかりと話し合いをして、「わが家の志望校」を決め、意思統一を図ること
の2点です。
最新の教育委員会の発表資料は以下のページで確認できます
少し見つけにくいページですので、必ずブックマークしておいてくださいね。
そして、家族での話し合いです。
我が子が高校受験をどのように考えているのか、
ご主人は?
そして、じぃじやばぁばも。
もちろん、お母さんの願いや希望も。
大切な人生のハードルです。むしろ大切な機会と考えて、子どもの気持ちを一杯聞き取ってあげて下さい。
こちらの記事も参考にして下さるとうれしいです。