「逃げてもいいんだよ」と言えるか?
子どもたちと接していると、よく直面するのが、何かイヤなこと・苦手なことがあったときに
「逃げてもよい」と言うべきか、「逃げずにがんばれ」と言うべきか、という場面です。
もちろん、それぞれの状況によってケース・バイ・ケースですから、一概にどちらか一つを選択することはできません。
とってもつらい人間関係
顧問の先生に理不尽に怒られる部活動
思春期を過ごしている子どもたちにとって、どうにもつらい場面があるはずです。
苦しい思いをしているときに、選択肢の一つとして「逃げる」というチョイスがあることは、
最後のセーフティーネットになり得るとおもいます。
実際に逃げるまでいかなくても、「逃げる」という選択肢があるんだ、と思うことができるだけでも
少し心が落ち着きます。
野生動物が危機に直面したときに、真っ先に選択するのが「逃げる」ことですよね。
本能として、自分を守るために「逃げる」ことを排除してはいけないと持っています。
勉強は楽しかったはず
ただ、勉強について言うと、どうしても「逃げずにがんばれ!」と言いたくなるときが多いです。
このブログで何回も書かせて頂いていますが、本来子どもたち(私たち)は新しい知識を身に付けることに「幸せ」を感じているはずです。
だって、純粋に嬉しい気持ちになれるし、お母さんにも自慢できて、「すごいね、そんなこと知っているの!」と驚いてもらえます。
お父さんや、おじいちゃんたちには、「そうか、お前もそんな難しいことを勉強するようになったんだね。」と感心してもらえます。
本来、「嬉しいことだらけ」なはずなのです。
いつから勉強が楽しくなくなったんだろう
そんな楽しかったはずの勉強が、いつの頃からか楽しくない、苦痛になってしまう子どもがいます。
いや、多いです。
昨日の記事にも書きましたが、小学校の途中あたりから「勉強したくない、楽しくない。」という気持ちを抱く子どもが増えてくるように感じています。
スラスラ答えて、クルクルと赤ペンで丸を付けることができなくなってきた頃です。
思うに、スラスラ解けているときは、誰だって「楽しい」と感じることができるはずです。
それが、所々行き詰ってくると、途端にストレスに変わってしまいます。
子どもがゲームをしていて、突然「あ~っ!何で!ちくしょう!違うって!!」なんて叫ぶときがあるじゃないですか。
ちょうど、あんな時なのだと思っています。
思い通りにいかなかったときから、途端に面白くなくなるのです。
私たち親がどんな反応をするかが勝負
勉強がはかどらなくてイライラしている子どもに対して、私たち大人がどういう姿勢で対処するかが一番大きなポイントだといます。
お母さんなら、どうしますか?いや、今までどうしていましたか?
- 自分もイライラしてしまうから放っておく
- 我慢にも限界があるので、「うるさいな、静かに勉強しなさい」とる
- 「ちゃんと学校で、先生の話を聞いていなから分からないのよ!」と怒る
- 「お母さんも、そんな問題解けないわ(又は子どものとき解けなかったわ)。」と距離を置く。
- 「できませんでしたって、正直に先生に言いなさい!」と先生に下駄を預ける
ごめんなさい、挑発的な言葉が並んでしまいました。
私のブログを読んで下さっているお母さん方は、上に書いたようなことは口にされないと思います。
と、言いたいところですが、こっちだって人間です。イライラするときってありますよね。
しかも子どもの様子を見ていると、正直、生理的に頭にくる、というときが少なくないと思います。
でも、こんな場面でお母さんの態度がとっても重要なのではないかと思います。
スラスラ教えてあげなくて良いんです
子どもがイライラしているときに、「どれどれ」と勉強を手伝ってあげるのって、」気が進まないですよね。
ましてや、小学校の中学年や高学年になると、「あれっ?どうやって解くんだっけ?」というような問題も出てきます。
でも、そんなときにこそ、子どもの隣に座って、
「お母さん、この問題すぐに解くことはできないけれど、一緒に考えてみようよ。」
という気持ちで、子どもと一緒にウンウンうなって欲しいのです。
お母さんといっしょ
お母さんが自分と一緒になって悩んでくれている姿を見て、
「なんだ、お母さんはこの問題が解けないんだ。」
なんて、お母さんを見下すような気持になる子はめったにいません。
むしろ、
「お母さんが自分と一緒になって悩んでくれている。」
「この問題はお母さんもすぐに答えられない位に難しい問題なんだ。」
「でも、今一緒に勉強していて、答えが出たら、嬉しいだろうな。」
と考える子どもの方がずっと多いです。
そして、子どもも一生懸命頭を働かせて、
「そうだ、お母さん!今思い出したけど、先生がこうやって図を書いて考えなさいって言っていたよ。」
といった、アシストをしてくれるかも知れません。
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これこそ、まさに教育効果です。
お母さんと一緒に一生懸命考えて、子どもが学校の授業内容を思い出すことができるなんて、素晴らしい復習ではないですか。
こんな時間を親子で共有できれば、子どもは勉強から「逃げる」前に、
お母さん(お父さん)と一緒に考えてみる、というプロセスの存在を実感できると思います。
小学生の早い段階から、おかあさんにはアンテナを張ってもらって、子どものSOSを感知して頂きたいと思います。
もちろん、お仕事の関係などで、自分ですぐに対処できないときもあるかも知れません。
そんな時は学校の先生や塾の先生にお願いしてしまいましょう。
子どもが一番甘えることができて、一番素の姿を見せるのは、お母さんなんです。
子どもが勉強から逃げたいと思う前に、親子で一緒に悩んでみませんか。
家族で、力を合わせてキャンプを成功させる、という経験が貴重であるのと同じくらいに
家族で、力を合わせて勉強に立ち向かう経験をさせるのもとても貴重な経験だと思います。