宿題はするに決まっているでしょ?
149teacherです。
今日は、「するのが当然」とお母さん方が思われているかも知れない「宿題」についてお話しさせてください。
塾に通っている子どもには、当然宿題が与えられます。
普通、宿題は必ずやるものだと思いますよね?
でも、必ずしもそうではないんです。
とりわけ、あまり成績の良くない子どもについては、宿題をしてこない子どもが少なくありません。
塾として、指導が足りないのではないですか?
というご批判は甘んじてお受けしますが、
現実問題として、宿題をしてこない子どもは決して少なくないのです。
中学入試を控えているような進学塾に通っている子どもにはそんなことはあり得ませんよね。
場合によっては、お母さんやお父さんも、子どもと一緒になって宿題に取り組まなくてはならないこともあるかと思います。
今日のお話は、公立中学校に通っている中学1・2年生についてです。
言い訳はたくさんあります
「どうして宿題をしてこなかったの?」と問い詰めると、子どもの反応(言い訳)は大変バラエティに富んでいます。
いくつか、実際聞いた言い訳を紹介します。
- お母さんが掃除のときに宿題を捨てた
- 何となく
- 学校の宿題をしていたから
- 宿題が出されていることを知らなかった
まだまだ言い訳はありますよ
- 宿題のプリントが見つからなかった
- どこをやってくれば良いか分からなかった
- 昨夜、体調が悪くて勉強できなかった
- 親戚が来ていた
- 忙しくて時間がなかった
いやあ、面白いですね。子どもたちはあらゆる知恵を絞って言い訳を考えます。
子どもの本音は「したくない」
どんな言い訳をしようとも、子どもの本心はただ一つです。
「宿題をしたくない。」
これに尽きます。
私に怒られたくないから、あれやこれやと言い訳を考えているだけです。
でも、その言い訳の一つひとつに腹を立てていてはこの仕事はできません。
もう少し根っこのところを考える必要があると思うのです。
つまり、「何で宿題をしたくないのか?」ということを考える必要があると思うのです。
宿題は親に対するアピールではない
まず、分かって頂きたいのは、宿題はお母さんに対する、塾からのアピールてあってはならないということです。
例えば、中学受験を専門に扱う塾では、びっくりするようなボリュームの宿題を出します。
お母さんは、子どもの宿題を手伝うべく、我が子と共に夜な夜な宿題に向き合わざるを得ません。
私が今日お話ししたいのは、私の勤務する塾に来ているような、公立中学に通う中学1・2年生についてです。
大体2日もたてば忘れます
私たちは、新しく覚えた情報を大体2日で忘れます。
「一昨日の晩御飯は何だった?」
と聞かれると、一瞬悩みませんか?
私たちの記憶力なんて、所詮そんなものです。
ですから、新しく覚えた情報はすぐに忘れてしまうので、完全に忘れきってしまう前に「覚え直す」作業が必要になるのです。
塾の勉強で言うと、それが正に「宿題」です。
せっかく塾で学んだ内容を、忘れないようにするために宿題があるのです。
ですから「授業の一環」なのです。
宿題も初めは楽しかったはず
子どもたちは小学校に入学したときから、学校から宿題を与えられています。
最初の内は、それこそ嬉々として取り組んでいたかもしれません。
楽しい「お勉強」ですから。
それにお母さん達も「今日は『さ行』の練習なのね。じょうずにかけるかな?」などと声をかけていたかもしれません。
新しいことを覚えて、そしてお母さん達にも褒めてもらえて、とっても楽しかったはずです。
それが、だんだん学年が上がっていくと、当然勉強自体も難しくなっていきます。
中には、簡単に解けない問題もあるかも知れません。
子どもは壁にぶつかります。
今までみたいにスラスラできない、と。
それでも、小学校低学年の内はお家の人が助けてあげるなどして、何とか処理できたかもしれませんね。
さらに学年が上がっていくと、少しずつお母さんの手助けも期待できなくなってきます。
小学校高学年の算数あたりですと、特にそれがはっきりと表れます。
で、子どもの宿題は中々はかどらない…。
このあたりが分岐点ではないでしょうか。
さっさと宿題を片付けなさい!
子どもの手が中々動かない様子を見て、イライラしていたお母さんも多いと思います。
「さっさと宿題を終らせなさいよ!」と心の中で叫んでいたり、場合によっては口に出したり。
こういうとき、子どもは何らかのSOSを出しているのだと思います。
子どもたちだって、テキパキと宿題を終らせたい。
でも、中々解けない問題がある。
お母さんに助けを求めても、前みたいに手伝ってくれないし、逆に怒られる…。
また、これは大変困ったことなのですが、お母さん自身が子どもに対して、
「お母さんも、その辺の勉強、全然分からなかったわ。」
「テスト前の勉強、あまりしていなかった。」
などといったセリフを口にされるケースもあります。
お母さんだって、ちゃんとやっていなかった勉強を、何で自分が嫌な思いをしてやらなくてはならないんだ?
そう、子どもが疑問に思うのも仕方がありません。
宿題が楽しい「お勉強」からただの「苦痛」に変換されてしまい、「逃げる」ことを考え始める瞬間です。
もう、適当でいいや!
こういった状況で、中には「もう、適当にやっちゃおう。」とか「宿題のプリントをなくしました」と言い訳してしまおう、という発想にたどり着く子どもが出てきても不思議ではありません。
一度、味を占めると、元に戻すには大変な労力が必要になります。
こどもはズルズルと、手を抜く方向に進んでいってしまいます。
このような状況を経て中学校に進むと、当然ですが日々の学習内容が全く定着しない結果となってしまいます。
どうやったら宿題をするようになる?
では、現在、宿題をちゃんとしようとしない子に対して、どのようなアプローチをすれば良いのでしょうか。
もっとも乱暴な手段は「怒って怒って、怒りまくる」です。
とにかく大人が本気で叱って、子どもが「こんなに怒られるくらいなら、ちゃんと宿題をしよう。」と思わせます。
でも、この手は本質的な解決になりませんよね。
もちろん、私はこの手は使いません。
サボり癖がついてしまった子どもに対しては、多少の時間は必要ですが、
「宿題に正しく取り組むことは、とても効果的で、結果的に勉強が楽になる」ということを丁寧に伝え続けるしかないと思います。
毎日、コツコツと積み上げることで、結局トータルの勉強時間は短くできる。そのほうが部活やその他のやりたいことにも時間を割くことができるはず。
一度や二度の説得では、子どもは変化しないと思います。
でも、それでもだめなら極端な話、100回でも200回でも、伝えるべきだと思います。
あきらめるわけにはいきません。
大人がさじを投げてしまったら、そこで終了です。
大変な労力を要しますから、辛い作業ではありますが、学校の先生や塾の先生とも連携して、お母さんが主体となって子どもに働きかけ続けることが必要になると思います。
もちろん、このような状況になる前、つまり子どもがSOSを発信しているときに、しっかりと子どもの勉強に付き合ってあげて、未然に防ぐことができれば一番良いと思います。