やればできる子
中学生(小学生でもそうですが)の子どもが中々勉強がはかどらなかったり、模擬試験で思うように得点が上がらなかったりしたときに、当然その原因を考えます。
お母さん達から良く聞くのが、
「勉強のやり方が分かっていないのかな。」
「なかなか勉強する気になってくれない。」
などです。
もっと頑張って欲しいなぁ、と願うお母さんからすれば、どうすればもっと成果が上がるのか一刻も早く気づきたい、という思いだと思います。
そんなときに良く耳にする言葉は
「この子も、やればできるんです。できると思うんです。」
というものです。
この言葉を胸に、子どものやる気を何とか盛り上げようとしているお母さんも少なくないと思います。何とかしてあげたいですからね。
ただ、私が気になってしまうのは、「やればできる」という言葉です。
もちろん、この言葉が子どもに対する励ましとなって、子どもが奮起してくれれば言うことはありません。まさにスイッチが入る状態です。
「やればできる」が逆効果に
でも、子どもの中には「そうか、僕はやろうと思えばできるんだ。お母さんもそう言っているし。」と考えて、今日の努力を辞めてしまう子どもが少なくないということです。
もっとしっかりと勉強に取り組んで欲しいな、と感じた子どもに対して、少し厳しめのアドバイスをすると、「先生、ぼくやればできるから大丈夫です。」などと言ってのける子どももいます。
「やればできる」という呪文は、下手をすると、子どもに対して「今はそんなに頑張らなくてもよい。」というメッセージとして受け止められるかもしれないという危険性があることを知っていて欲しいです。しかもお母さんからこの言葉を聞かされていることで、子どもは親からのお墨付きをもらったと思い込みがちです。
今、やっていないことが問題
私見ですが、「やればできる」は「今頑張っていない」ことに対する言い訳です。「できる」子どもはいつだって努力を継続しています。日々の努力の積み重ねが「できる」子どもを作り出しているのです。
「やればできる」と呪文を唱えているうちに、子どもはどんどん集団から置いて行かれてしまいます。
今すぐに、5分でも良いから机に向かわせることの方が重要で、効果的です。