苦手な先生の苦手な教科

あの先生が苦手…

夏休みも、もう目の前です。学校の懇談も進み、あとは通知表を受け取るだけ、という時期になってきました。

既に個人懇談で、担任の先生から大まかな成績を聞かれた方もいるかも。

ご存じの通り、兵庫県では通知表の成績は5段階で付けられます。

具体的な評価方法は他のサイトやブログでも多く見られますよね。私もいずれ具体的に紹介しようと思っていますが。

ここでお話ししたいのは、子どもが苦手としている先生が担当されている教科についての取り組みです。

中学生ともなると、かなり冷静に大人(教師)を観察します。
そして、この大人は信用に足る人物かそうでないかを判断しようとします。

もちろん、子どものことですから、中には極めて主観的・感覚的な判断もあります。
でも、それも判断の一つです。

そのような状況を経て、子どもの心の中には時として「苦手」な先生、「イヤな」先生が生まれてきます。

よくあるケースとしては、

① えこひいきをする(と感じられる)先生。

② 話が一方的過ぎて、生徒の話を聞いてくれない先生。

③ 雰囲気が独特過ぎて生理的に受け入れられない先生。

などがあるかと思います。

子どもだって人間ですから、ある程度理解できる面はあります。

お母さんにも、経験があるかも知れません。
子どもの懇談に出向いたら、担任の先生が何とも不思議な雰囲気で、
「この人社会人としてはどうなのかな?」と疑問符がついてしまう先生って確かにおられます。

でも、ここで私がお話ししたいのは、そういう変わった人でも「先生は先生である」、ということなのです。

子どもだけが損をする

どういう事かというと、
子どもがある先生のことをとても毛嫌いしているとしましょう。

理由を聞いてみると、特定の生徒には甘く、他の生徒には不条理なくらいつらく当たる。
自分は訳もなく怒られる方のグループに含まれている。

だからあの先生は嫌い。
あの先生の教える教科も嫌い。
勉強したくないし、良い点も別に取りたくない。

こんな風に考える子どもも出てきます。
そのままにしておくと、子どもは本当にその科目の勉強をしませんし、
授業態度にも反抗的な態度が現れてしまいます。

気持ちは分からなくはないですが、結局こういう行動は子どもの損にしかなりません。

だって、公立学校の先生は、生徒からの評判が悪いからといって人事評価が特段下がるわけではありません。
彼(彼女)からすると、お子さんは、単に可愛くない子、いうことを聞いてくれない子、
でしかない可能性が高いのです。

そして、成績を評価するとき、彼(彼女)も人間ですから、感情という要素が入り込んできます。
しかも、低評価にする理由は後付けでいくらでもできるのです。

「あの生徒は、努力すればもう少し良い成績を取れるかもしれませんが、いかんせん授業態度が良くないです。私が話をしているときも、ちゃんと聞いている様子があまり見られませんし、提出物も期限を過ぎました。教科に対する真摯な態度が見られません。」と。

つまり、担当者である自分に対する不満を、担当教科に対する不真面目さに置き換えることができるのです。
結果として、子どもの成績は惨憺たるものになりかねません。

もちろん、多くの先生方は真剣に子どもと向き合い、
熱心に授業の用意をされ、
自分の時間を犠牲にして教師の職を全うされています。

 

でも、残念ながら、上で書いたような評価をされるケースは多々見てきました。本当に心が痛いです。

子どもに対して「先生の機嫌を取りなさい」等とは口が裂けても言いたくありません。

でも、子どもが(未熟ゆえではありますが)不条理な評価を受けることも納得できません。

私がせめてできることは、子どもに対して「イヤな先生の授業は楽しくないかも知れない。だけど、その「イヤ」という気持ちを前面に出したことろで君は何の得もしない。そして先生も何の痛手も受けない。つまり君が存するだけで終わるんだ。モヤモヤすることがあれば、塾で私に言いなさい。できる限り聞きます。それで解決にはならないとは思うけど、少しは気が晴れるのならばいくらでも聞きます。」

「だから、と言う訳ではないけど、その教科に対しての取り組みはできるだけ熱心にしなさい。最終的に君だけが損をすることには先生は耐えられません。」

根本的な解決にはなりません。単なる対処療法です。でも、真っすぐな子どもが真っすぐに不利益な方向に突き進んでいくことを何としても避けたいのです。

お母さん達も、子どもが先生の愚痴を口にしたら、一通りは聞いてあげて下さい。そして必要以上に迎合しないようにして下さったら嬉しいです。

先生は先生。教科は教科。

子どもはお母さんが自分の愚痴に同意してくれると、増長してしまいがちです。

「ママもあの先生のことは変な先生だと言っていた。やっぱりあの先生は変な先生なんだ。やっぱり、あの先生の科目は真面目にやる気にならない。」と子どもに思わせてしまうと、子どもにとって良い結果が得られることはないと思います。

そんな時にはお母さんは「確かに少し変わった先生だね。でも、先生が変だからといって、その科目が変な科目だとは思わないよ。そう思わない?先生に教えてもらうのは確かだけど、教科まで一緒に嫌いになってしまうのはもったいないよ。」と言葉を掛けてあげて下さい。

学校の先生で、この記事を読んで下さっている方がおられたら、複雑ですね。

私の記事を読んで、「ふざけるな。我々はそんな中途半端な気持ちで生徒に接しているわけではない!」とお怒りになる先生は多いと思います。

でも、職員室を見回してみて下さい。先生の周囲に私の記事に当てはまる同僚は一人もいませんか?もし一人もおられないのだとしたら、先生のお勤めになっている学校は本当に素晴らしい学校です。これからもプライドを高く持って、日々生徒たちに接してあげて下さい。

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