読めない位に汚い字
こんばんは。149teacherです。
私の勤務する塾では保護者懇談会が真っ盛りです。各教師が手分けして自分が担当する子どもの保護者の皆さんと懇談を行い、夏休みの具体的な目標の設定などを話し合っています。
最近受験してもらった模擬試験の答案などをお母さんと一緒に確認しながら、単元ごとの得手不得手などを把握したうえで、夏休みに私たちがサポートしてあげるべきポイントを打ち合わせていきます。
小中学生の男の子たちについてよく話題にのぼるのは字の汚さです。
ふだんから、ちゃっちゃと勉強や宿題を終らせたいが故に、ものすごく雑な汚い字を書く子どもは少なくありません。お母さんが漢字ドリルなどを見るとうんざりしてしまうものも少なくありません。
もちろん、お母さん達も「もうちょっとちゃんと書けないの?」「こんな字だと読めないよ?」ときつく言ってしまいますよね。
でも、子どもたちは一度書いた文字を書き直すことが大嫌いです。せっかく書いたのに何でもう一度やり直さないといけないの?と不満な様子を見せるはずです。「だって、お母さん、先生はいつもマル付けてくれるよ。」
お母さんとしても、中々譲れるものではないですよね。こんな汚い字をずっと書き続けていたら、大人になってから本当に困るんじゃないかしら。先生はそこまで考えてマル付けしてくれているのかな?
私は、子どもに「綺麗に書きなさい。」とは決して言わないように心がけています。「綺麗」ではなく「丁寧に書こうね。」と言います。
「何が違うの?」とお思いになられるかも知れません。
でも、かなり違うんです。
「綺麗」な字とは決して言いません
「綺麗」に書けと言われると、子どもは「だって、僕、字が上手じゃないし。」と反応してしまいがちです。字が上手ではないから綺麗に書くことは自分には無理だと考えてしまうようなのです。「無理だ」と決めつけられてしまうと、中々次のステップには進むことができません。「だって、無理だもん。」となってしまいます。
ですから、「綺麗、汚いではなくて、『丁寧に』書いてみて。焦って続け字みたいに書くのではなくて、少し落ち着いてゆっくり書いてみて。」と子どもにお願いします。
そうすると、個々の差はありますが、大体ちゃんと読めるレベルの字にはなります。これでOKです。だって、字は読めることが大切なのですから。
先生だって、字が雑な時は「読めません。」と言って答案を子どもに突き返すはずです。「綺麗」なことを求めるのか「丁寧」なことを求めるのかを私たち大人がはっきりさせるべきなんです。
字があまり上手でない子どもに対しても、その子なりに丁寧に書いた答案を作ってくれたら、私は盛大にマルを付けます。「そうそう、この丁寧な字はちゃんと読めるよ。とても良い字だ。」と言って。
「綺麗」と「丁寧」の言葉遊びみたいに感じられるかもしれませんけれど、実際に子どもたちに接し続けていて、中々効果のある言葉の使い分けです。
上手い下手はともかくとして、字を書くことの目的を考えたら、「丁寧に」かけていたら、十分合格だと思いませんか?