関西では1月18日(土)から、いよいよ私立中学校の入試が始まります。
本番を控えているご家庭では、「ドキドキ」などといった安易な言葉では表現できない位に緊張感の高い時間を過ごされているかと思います。
子どもたち自身も人生初の大きなハードルを目前に控えて、言葉にできないプレッシャーを感じていることと思います。
今日は、子どもの中学受験を控えたお母さんにエールを送りたいと思います。
この週末は3連休でしたので、明日から5日間は学校があります。中には入試当日まで学校をお休みする子どももいるようです。
賛否ありますが、学校を休ませることもご両親が考えた上での選択だとは思いますので、一概に批判的なことも言えないと思います。
受験するからには受からせてあげたい。
親としては当たり前の感情です。
そのために、色々な情報を入手したりしてお母さん達も受験に備えてこられたはずです。
そして、受験のスケジュールについても、18日午前、午後、19日…、と作戦を立てられていることでしょう。
今までだって、子どものために少しでも良い学習環境を考えたり、適切な塾を探したり…。それこそ何年間も親子で頑張ってきたはずです。
全ては我が子の合格のため、です。
塾での懇談の際に、中学受験を検討している、と相談して下さるお母さん方は多いです。そんなときには、私はこういうお話をしています。
子どもの人生、どこかで大きなハードルを越えなければならない必要があります。受験に関してだと中学受験or高校受験。
基本的にこの2つの受験の内どちらかで受験というハードルを越えなければなりません。
どちらのハードルを選ぶかというときに、一番大きなポイントは子どもの年齢だと思います。
小学6年生の12歳と、中学3年生の15歳。
大人から見ると、たった3年の違いかと思うかもしれませんが、この3歳の差がとてつもなく大きいと思っています。
10歳~15歳の間って、人間はとてつもなく大きく変化します。それは身体面だけではもちろんありません。精神面も、です。
15歳ともなると、多くの子どもは幼いなりにも自分の適性とか興味などといったことに対して、自分なりの考えを持つようになってきます。
高校入試に関しても、「自分は〇〇高校に進みたい。」というような自発的な感情を持つことが多いです。
また、中学生活を通じて、多くの友人や先生と出会うことで、親以外の人との接点を持ち、影響を受ける機会も多くなります。つまり、思考の幅が広がってきます。
それに対して、12歳。
正直、本当に子どもですよね。
精神的にも、ご両親からの影響が非常に大きい時期です。
言い方を変えると、ご両親以外の人からの影響を受けにくい時期だとも考えられます。
そして、その幼い時期にお子さんが中学受験を選択されることになりました。
親の主導かも知れませんし、もしかしたら子どもから言い始めたのかも知れません。いずれにしても、12歳でのハードルを選んだ訳です。
毎日のように塾に通って、遅い時間まで勉強して、たくさんのことを我慢して、勉強を続けてきたのです。
お母さんも大変だったと思いますが、子どもも大変だったと思います。
行きたい学校があるからかも知れません。
お父さんやお母さんに褒めてもらいたいからかも知れません。
何にしても、子どもは頑張ってきたのです。
そして、間もなく受験当日を迎えます。
私が担当している子どもがこんなことを言っていました。
「受験するのは何でもないんだけれど、合格発表を見るのが嫌だ。」
もちろん不合格だったら嫌だ、という意味ではあるのですが、同時に落ちたら親や塾の先生に申し訳ない、と言うのです。
「この子を追い込んでしまっているのかな…。」と胸に刺さりました。
この子は普段から本当に楽しそうに熱心に勉強しているのです。少なくとも表面的には。
でも、心の中では12歳には抱えきれない位の荷物を抱えているのでしょう。
その後のやり取りは、
私:「もしもだけれど、落ちたら、全部149teacherの責任だからね。」
子:「えっ?そんなことないでしょ?」
私:「いや、本当。お父さんやお母さんにも、149teacherの教え方がダメだったから僕は落ちたんだって言いなさい。」
子:「そんなこと言ったら、落ちたときに、先生はうちのお父さんやお母さんにめちゃくちゃ怒られるよ。」
私:「それは、当たりまえ。その時には謝ることしかできないけど、君を受からせることが先生の仕事なのだから、受からせることができなければ先生の責任。でも、大丈夫。君は今日まで本当に良く頑張って勉強してきたから、当日はいつも通りの力を出すことができたら大丈夫。」
この仕事をしていながら、こんなことを思うのは無責任なのかも知れませんが、12歳の子どもが、塾の教師に気を遣うって、ものすごく切ないです。
でも、この子は今度の土曜日に勝負に出ます。
お母さん、受験の結果は何よりも大切だと思いますが、
ここまで頑張ったお子さんは本当に偉いと思いますよ。
もちろん、受からせてあげたいですが、ここまで頑張ったお子さんをまずは誇りに思って下さい。
受験の前に、子どもに
「あなたは本当に良く頑張って勉強したね。」と声をかけてあげて下さい。
子どもはお母さんの期待に応えようと、必死になってきたのだと思います。
その努力に対して、まずは褒めてあげて下さい。
そして、受験が終わったら、一緒に美味しいものを一杯食べて、
「お疲れ様‼」と笑顔で楽しい時間を過ごしてください。
もしも、結果が思わしくなかったら、
それは、とてもつらい時間だと思いますが、
全部塾のせいにして、
子どものそばにいてあげて下さい。
親子の縁はいつまでも続きます。
縁起でもないですが、中学入試に失敗しても、子どもの人生が終わったわけではありません。
次のハードルを待てば良いだけです。
子どもだって、成長します。
3年後には、想像もできない位に変化しています。
その時であっても、まだまだ人生、ゴールではありません。
親子の関係はいつまでも続くのです。
とはいえ、まずはお子様のご検討を心からお祈りします。
頑張る親子に幸あれ!