やはり学校が大事です
日々、小中学生を相手にしていると、学校での授業の大切さを痛感します。
一番怖いのは、「どうせ塾で勉強するから大丈夫」と考えている子。
このように考えている子どもは、大体が塾の授業も受け身の姿勢になりがちで、「今ではなくて、『後で』勉強しよう」と考えています。
今、目の前の授業を大切にすることができていない子が、後で自発的に勉強に取り組むことはあまり期待できません。
塾に限らず、学校でも「この時間内に絶対理解してやる!」という気迫をもって授業に参加する姿勢が何より大切だと思います。
「だって先生が早口で分かりにくいんだもん。」「隣の子がうるさくて集中できないの。」などと学校の勉強に集中できない理由をもっともらしく口にする子どももいます。
もちろん、学校・先生・授業に問題が全くない訳ではないと思います。
でもそれを逃げ道にして「だから学校ではしっかり勉強できない」という結論に持っていくことはとても危険だと思います。
私は学習塾で教師をしていますが、例えば小学生のクラスでしたら子どもの授業時間は、
1コマ50分の授業が1日2コマ。
それが週2回で、1週間の合計授業時間が200分(3時間20分)です。
それに比べると子どもが学校で過ごす時間、授業に費やす時間は圧倒的に多いのは明らかです。
わが家の末っ子(小6男児)の時間割を計算すると、朝学習(毎朝15分)を除いても、1週間で45分授業が28コマ。合計で1,260分(21時間)です。
この長い時間を無駄にするのはあまりにもったいないと思います。
子どもが授業を作る
私は自分の生徒には「授業を作りなさい。」と言い続けています。
生徒たちがやる気を見せずダラダラした様子で授業を受けていると、先生も人間だからテンションが下がる。
そうすると授業の質が落ちてくる。残念ですが、こういう悪循環は良く耳にします。
クラスの雰囲気が勉強に向かない中で、先生だけが張り切って授業をグイグイと進めていくことは中々できません。
むしろ、「クラスの雰囲気づくり」がある程度できた上で、やっと「授業の質」が確保できるのではないかと思います。
ですから、私は塾の子どもたちに口を酸っぱくして、このように言い続けています。
周りの子がどんな様子であれ、君は先生をにらみつける位の迫力で授業を聞きなさい。
そうすると先生は緊張します。
「おっ、あの子すごい気迫で聞いてくれているな。これは自分も本気で授業しなくてはならないな。」と先生に思わせよう。
それで授業のレベルが上がればこっちのもの。そうやって授業をこっちから作ってやりなさい。
授業の質は先生が責任をもって管理するべきで、子どもがそこに関与するのはおかしい、と感じられるお母さんも少なくないと思います。
確かにそれは正論です。でも私は今49歳ですが、子どもたちに聞いていると小中学校の先生たちは私より若い人が圧倒的に多いです。
彼らに「全部任せたからね。」と丸投げしても結構不安なんです。大変申し訳ないのですが。
何よりも、学校の授業という大切な時間を、無駄にしてしまうことが何よりももったいないと思うのです。
「流す」授業をさせない
子どもの好奇心はとても大きいです。自分では楽しくないと思っている勉強であっても、内容によってはびっくりするくらい食いついてくることが少なくありません。
先生に緊張感を持ってもらい、「流す」ような授業ではなくて子どもの知的好奇心を満たすような授業を日々実践してもらいましょう。
何より、毎日の学校の授業が楽しい!今日も僕(私)は賢くなった!という気持ちを子どもが持てる日々って素敵だと思うのです。
私のような塾の教師は、流れに乗れなかった子どもや流れが物足りない子のサポートをしたいな、と思うときが多いです。
学校の先生方、毎日大変だと思いますが、子どもの将来に関わる仕事を選ばれたのですから、頑張ってください。