懇談は「作戦会議」

懇談いやだな…。

そろそろ子どもたちが学校から懇談の案内を持って帰ってきますね。

私は塾教師として、また我が子の親として、両方の立場から懇談に参加していますが、この懇談については色々と思うところがあります。

あまり懇談に乗り気でないお母さんもいると思います。

懇談に対する一般的なマイナスイメージとして、「自分の知らなかった我が子の悪いところを次々と指摘される」、「一方的に先生から我が子の悪い点を指摘される」…。そりゃあ嫌ですよね。

1学期の懇談は任意参加の学校も少なくないので、「嫌な思いをするくらいなら欠席で良いか」と考えたくもなります。

 

懇談は大切な機会です

でも、塾教師としての私は、懇談は「作戦会議」だと考えています。

子どもの学力の現状をお母さんと共有すること。

それを踏まえて、子供のためにこの先どのようなサポートを私がしてあげるべきかをお母さんと考えて、納得・同意してもらうこと。

つまり、その子にどのように接していくかの青写真を描いていくための「作戦会議」が懇談だと考えています。

一方、親として参加する学校の懇談は、まず時間が少なすぎますね。

15分。

私の塾での経験で考えると、15分ではお母さんと突っ込んだ話にまで立ち入る関係を築くことは難しいです(私はできるだけ30分以上の時間を取るようにしています。最高記録は2時間半)。

学校では大体、こんな感じではないでしょうか。

母 :「先生、うちの子、学校ではどうですか?ちゃんとやってますか?」 

先生:「そうですねぇ。時々気が散ってしまうこともありますが、頑張っていますよ。あと、事前に本人にアンケートを書かせましたが、仲良しなのはAさんとBさん。AさんとBさんのアンケートにもお宅のお子様の名前がありました。人間関係も良好ですね。」

人間関係が気になることは十分理解できますが、学習内容が「頑張っています」で終わることって、どう受け止めたら良いのでしょうか。

 

どんどん話題を掘り下げましょう

学校の先生が懇談で緊張している懇談相手は、最上位層と再下位層の両極だと思います。

上位の子どもの家庭から「学校の授業に満足していない、もっとレベルを上げてほしい。宿題を増やしてほしい。」というクレームが来たら困る。

また、下位層の子どもの家庭から「うちの子は授業が全然分からないと言っています。先生、何とかしてください。」と訴えかけられないか。

ここで考えたいのは、上位でも下位でもない「真ん中」の層の子たちです。

恐らくこの中位の子どもがクラスの8割以上だと思います。

この8割の子どものお母さんたちは「勉強頑張っていますよ」と片付けられているのではないでしょうか。

でも親としては中間の8割の中のどの部分で頑張っているのかを知りたくはないですか。

上から2割のポジションなのか、下から2割なのか。

だって、中学生のお母さんの立場なら、上位20%と下位20%では、受験校が大きくに変わることが一大事ですよね。

ですから、お母さんたちには是非懇談には必ず参加して欲しいです。

そして、親としてはこの位の高校に行ってほしい(小学校ならば、中学に行ってから定期テストで〇〇点位取れる力を持っていてほしい)、といった具体的な希望を先生に伝えて下さい。

 

聞きたくないこともあるかも知れませんが

もし、その時に「いやぁ、それは…。」と返されたら、【もちろんショックでしょうが】その目標に近づくには家庭では何をしたら良いか、先生はどのように我が子に働きかけてくれるかを相談して欲しいです。

そうして、学校と家庭の意見のすり合わせをしてみて欲しいと思います。

お母さん、懇談の最初に、「先生、今日は作戦会議を開きに来ました。」と言ってみませんか。

こちらの思いを先生にしっかりと伝えること。

もし、学校側がそれに対して「難しい」などの否定的な反応をした場合、どの程度難しいのか、具体的にどうすれば道が開けてくるのか、を聞き出しましょう。

そして、我が家ではどういった取り組みをする必要があるか、そして学校は子どもの希望を叶えるためにどのような対応をしてくれるのか、ということをオープンに話して欲しいです。

メモを取ることも忘れないでくださいね。

口約束では、後になってから「言った」「言わない」の水掛け論争が始まる可能性がありますから。

学校の先生は、当然ですが教育のプロです。

「餅は餅屋」とも言いますが、学校や先生の力を具体的に活用することが大切です。

お母さん、気が重いと感じるかも知れませんが、我が子のためです、頑張ってください。

そして、どうしても納得できない返事しかもらえないときは、塾の先生にも連絡を下さい。

私たちも、色々な知恵を持っていますから、お母さんのお役に立てると思いますよ。

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