明日の時間割を揃えるときに
中学生だと教材が多すぎて「置きべん(教科書を学校においておくこと)」している子供もいるかと思いますが、そうでない子供や、小学生に是非実践して欲しいことがあります。
少し面倒くさいですがとても役に立つ作業です。しかも、結果的に勉強がとても理解しやすくなります。
それは、家で明日の時間割をそろえるときに、数分で良いので各教科の教科書やノート・プリントを眺めること。これだけです。
小学生でしたら算数や国語は計算ドリルや漢字ドリルが宿題として出されている子が多いと思います。
漢字ドリルはともかくとして、算数ドリル・計算ドリルはその日勉強したことを復習するのに大変有効だと思います。
でも、学校で学ぶ教科って、算数だけではないですよね。
理科も社会もあります。そして、理科も社会も連続性のある教科だと思いませんか。
次の授業に知識をつなげる
例えば社会。私、塾で小5~中3の社会をほとんど担当しているのですが、生徒たちに社会を教えるとき本当にびっくりします。
例えば中学1年生。
小学生の時に習ったはずの内容が全然頭に入っていない子供が多いんです。
「習っていない」と言う子もいます。本当に習っていないかも、と思う位に何も知らない子供もいます。
恐らく、そういう子どもたちは、その場限りの授業を受け方をしているんだと思います。
6年生の歴史の授業を例に挙げると、聖徳太子という人物が登場する、先生は、「この人は一度に10人の話を聞いて、それを全て理解して返事をしていたというエピソードが残っているよ。」等と授業を盛り上げる話をしてくれます。
聞いている子供も「本当かなぁ?」「何それ、すごい!」、となるかも知れません。そこで授業終了。2日後の社会の授業では大化の改新についてお話をします。
「中臣鎌足は、蹴鞠に夢中になって脱げてしまった中大兄皇子のくつを拾って皇子に差し出したことで知り合うようになったんだよ。」
「その後、勢力を持っていた蘇我氏を二人で力を合わせて滅ぼしたんだね。」
面白いエピソードですよね。子どもも結構食いつきそう。
でもね、お母さん。中学受験や中学校の勉強につなげることを考えると、歴史の流れが大切なんです。
聖徳太子は蘇我氏と連携していました。強力な力を付けた蘇我氏は聖徳太子が亡くなると、調子に乗って自らの権力を高めていきます。でも蘇我氏はしょせん豪族です。天皇の一族ではありません。蘇我氏の横暴を腹立たしく感じていたのは天皇の血脈を引く中大兄皇子に決まっています。
ですから、皇子は蘇我氏を滅ぼすことを実行します。これが大化の改新の流れです。
単元と単元の間の連続性を理解していないと、歴史上の出来事が全て「ぶつ切り」になってしまいます。
その結果、歴史の流れをつかむことができないまま学習が終わってしまいます。
各教科数分で良いです
ここで本題に戻ります。
明日の時間割を揃えるときに、1時間目に社会があったとします。
何も考えずにランドセルやかばんに社会の教科書を放り込むのではなく、前回の授業で開いたページを一度子供に開かせてみましょう。
そして、先生がどんな話をしてくれたかを思い出してもらうのです。
数分で十分です。この作業で、子どもは前回の内容をある程度思い出せます。
そして明日の授業でその「続き」を教えてもらうのです。
1教科数分の作業で、トータルするとおそらく10分程度。
でもこれが身に着けた情報の連続につながるのです。是非一緒に試してみてください。
こんなこと習ったっけ?
塾で子どもと勉強していて、一番驚くのは、
子ども達が、いとも簡単に「こんなこと、学校で習っていない。」
と口にすることです。
でも、よくよく聞いてみると、どうも学校では一通り学習しているのです。
それなのに子どもたちは「知らない。」「習っていないと思う。」
と平気に口にします。
別に子どもたちに悪気はないんです。
本当に「聞いていない」と思っているのです。
本当は「聞いていたけど、忘れた。」というケースがほとんどです。
でもね、それを「あなた、もっとしっかりと授業を聞きなさいよ!」
と子どもに怒っても仕方がないんです。
子どもは、いいえ、私たちは「必ず」忘れます。
忘れることを前提にして学びを進めていかなくてはならないのです。
そして、子どもに寄り添っている私たち教師や親御さんたちは、
子どもが勉強したことを「忘れる」前提で接しなければならないと思います。
「何で覚えていないの!」
ではなく、
「忘れたのだったら、もう一度覚え直そうね。」
と言ってあげて下さい。
これは決してお子さんの記憶力が悪い悪いわけではありません。
忘れるのが当たり前
先ほども書きましたが、私たち皆がそうなのです。
それを踏まえた上で、子どもに知識を習得させることが私たち大人の務めです。
お願いです。
決して短気に怒ってはいけませんよ。
そういう反応をお母さんがされたら、子どもは「自分は頭の悪い人間だ。」と委縮してしまいます。
こうなってしまうと、私たち塾の教師でも中々取り除けないくらいに、子どもは勉強に対して苦手意識を持ってしまいます。
そうではなくて、「忘れてしまったのだったら、覚え直したらいいよね。」
と、明日からの勉強にポジティブになれるようにお子さんを導いてあげて下さい。
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