子どもの学びと塾の存在

こんにちは、149teacherです。

私の勤める塾も休校になってしまって、半分(以上)抜け殻みたいになってしまっています。

多くのお母さん方は「子どもの勉強がここまで止まってしまって、取り戻せるのかしら?」

という不安に駆られているかと思います。

私も、焦りはあります。特に受験学年。

でも、世の中がこのような状態になってしまっている以上、法律や要請の抜け穴を狙って授業を再開することは私個人としては賛成できません。

私の勤める塾は兵庫県宝塚市にあります。

いわゆる市中感染などが見られていない地域のようにも感じられます。

そう考えると、「授業を再開してしまおうよ!」

「大阪府だって、自粛要請するのは1,000㎡以上の学習塾なんでしょ!」

という印象を持ってしまうことは十分に理解できます。

でも、同時にものすごい心配があります。

3月後半の授業再開時の様子

私の塾でも3月2日から15日まで授業を止めました。

その後、授業を再開し、4月7日まで臨時の時間割で、それまでの遅れを取り戻す授業を行いました。

保護者の皆さんから授業料を頂いている以上、授業時間は確保しなければなりません。

3月の後半は、普段の授業の倍近い授業を設定して、子ども達と勉強しました。

この時期のストレスは今までにないものでした。

3密をふせぐ!(?)

政府や厚生労働省からは「3密(密閉・密集・密接)を避けるように提言されています。

でも、このルールを小学生・中学生の子ども達に守らせることがどれほど大変か分かって頂きたいと思います。

ただでさえ、学校がお休みになって、友達とのおしゃべりができない日々。

塾に行くと友達に会える。

そんな環境で、子ども達に「3密」を徹底せよ!と呼びかけても、中々効果は浸透しません。

私は中高生を抱える親でもありますし、塾でもそれなりに重きを置かれるたちではありますので、毎日子どもたちに注意を繰り返していました。

「近づきすぎるなよ。」

「あまり大きな声を出すなよ。」

そんなセリフを毎日毎日イヤになるほど繰り返していました。

でもね、子どもの気持ちも分かるんです。

そりゃあ、友達にあったら大きな声でおしゃべりしたいですよ。

男の子でも女の子でも、友達と、いわゆる「ボディコンタクト」を取りたくなりますよ。

実際、3月後半の事業再開時期に子どもを見ていると、

友達と触れ合おうとする仕草をする子どもの人数は、私の感覚ではありますがとても多かったです。

これは、小学生・中学生共通です。

「客観的なデータ」を示せ!

といわれると、ごめんなさい、無理ですが、私は私の感覚を信じています。

どう見ても、この時期、子ども達が友人の体や肌に触れようとした機会は間違いなく多いです。

それだけ子どもが不安になっていることなのではないかと思っています。

 

塾がストレス解消の場になって欲しいけれど…

私の目から見ると、明らかに子どものストレスは溜まっています。

いつもだったら、休み時間などに友達とワーワー言いながら触れ合うことができていたのが、

今は無理。

目の前にいるのは家族だけ。

もちろん、家族の存在は大きいですが、人間は家族だけで生きていけるものでもありません。

このような状況で、塾を再開することができれば、子どものストレスを解消する一つの解決策になるのかも知れません。

でも、子どもは限度をわきまえません。

3月後半の授業再開時、改めて実感しました。

 

子ども達の中には「適度に」という感覚のない子どもが一定数います。

そういう子どもたちは友達に会うと、ベタベタとくっつこうとします。

こういう子どもの気持ちも十分に理解できるのですが、今の状況を考えると「少し我慢してね。」となります。

でも、そういうお願いが通用しない子どもも少なからずいます。

つまり、

塾で勉強することをメインに考えているのか、

塾で友達に会ってお話しすることをメインに考えているのか。

この温度差を産めない限り、今の状況で塾の授業を再開することは難しいと思います。

勉強、何とかして!

多くの子どもたちは、学校が止まってしまっている以上。何とかして自分の勉強を止めたくない。

そのために、塾の先生、力を貸して!

と思っています。

でも、一方でほんの一部(一人)でも、

「●●ちゃんに会えるし、みんなとおしゃべりできるから塾に行こうかな~。」

という子どもがいれば、規律のとれた学習環境は崩壊します。

この難しさをそう乗り越えれば良いのだろう?と悩んでしまいます。

多くの塾ではこの難局にWeb授業などで対応しようとされています。

私自身も、いつでも対応する用意はできています。

でも、塾としては、今現在Web授業への移行は考えていません。

その理由は2つ。

1つ目は、

Web授業を視聴できない環境にある子供をどうしたら良いのか?

もう1つは、

我々の行ってきた教育がWeb授業にそぐわない。

というものです。

この2点については確かに理解できます。

そもそも、私の得意とする担当クラスは、

基本的に勉強が好きではない子、

自分で勉強方法を工夫することができない子

なのです。

彼らに、Web授業の視聴方法を教えて、

「さあ、しっかり勉強しましょう!」

といっても、ほとんど効果はないと思います。

 

でも、同時に、この難局を目の当たりにして、

「今までの自分のやり方では無理だ。」

「何とか自分でも勉強するようにしなければならない。」

という危機感を持たせなければならない段階に来ているとも言えます。

塾の授業を再開するために、私のとるべき方法は2つ

  1. 完全に私の指示に従うことを条件として、教室での授業を再開すること
  2. Web授業を導入して、全員に視聴してもらい、家庭学習の内容を必ず行ってもらうこと。

どっちも、100パーセントは難しいですね。

まあ、でも、100パーセントの網からこぼれる子どもたちが、これまた可愛かったりするんです。

改めて塾長とも今後の方策を相談します。

できるだけ、自分の意見を通すようにして。

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