帰って来るなりダラダラ…
今日も暑い一日でした。私たちも朝からずっと子どもたちの授業を担当しています。
この暑さですから、体力もかなり消耗します。
何が辛いかと言うと、授業中は空調の効いた教室で授業をしています。
でも、休み時間になると、次の時間帯の子どもがやってくるのに備えて、
自転車置き場を整頓したりする必要があります。
結構短時間の間に涼しい部屋から暑い外へと往復を繰り返します。
応えます、体に。
子どもたちも汗をダラダラかいて、「あっつい~!」などとうち口に言いながら教室に吸い込まれていきます。
そして涼しい環境の中、彼らなりに頑張って勉強をするのです。
授業が終わると、また灼熱の外に出て、自転車を漕いで家路につきます。
元気な子どもとは言え、結構疲れると思います。
実際に子どもたちに聞いてみると、そこそこの割合の子どもが、「塾から帰ったら、疲れていてしばらくダラッとしてしまう。」と言います。もっともな話です。
ここで、視線をお母さんに変えてみたいと思います。
もうすぐ塾が始まるのに、子どもがダラダラと用意している。
それを見ているだけでイライラしてしまい、ついつい子どもにきつい言葉を投げてしまうこともある。
「遅刻しそうじゃない!テキパキと用意しなさいよ。」
「しっかり勉強してくるのよ。分からないところは先生に聞きなさいね!」
「お茶は持ったの?さっき用意したって言ったでしょ!」
「帰ってくる頃にはママは買い物に行っているかも知れないから家の鍵を持って行ってよ。」
そんな時に限って、子どもが、
「あれっ? ママ、僕の自転車の鍵、どこ?」
…怒り限界です。
「鍵はいつも玄関のキーボックスに架けておきなさいって言ってるでしょ!早く探しなさい!塾だってお金払っているのよ!」
やっと子どもが鍵を見つけて塾に向かっていきました。
はぁ、疲れた。
子どもがいない間に家のことを片付けますよね。そうこうしているうちに子どもが帰宅。
「ただいまぁ。(ただいまを言うのはまだ立派な方かもしれませんね)」
と言うや否や、こどもが「つかれたぁ~。」といってソファーにバタンと倒れこんで転がってしまう。
うむ。こうやって書いていると確かにお母さん、イライラしますね。
私ならばイライラを通り越して大爆発するかもしれません。
でも、こんなイライラする場面であっても、少し考えて頂きたいのです。
多分、多くの子どもは塾の行き帰りや授業で結構頑張っているはずなんです。
私、30℃以上の気温の中、15分間自転車を漕ぐなんて芸当できません。それも往復。
ましてやその間に50分間の勉強を2コマ~3コマ、場合によってはそれ以上にこなさなくてはいけないんです。
子どもでなくても「疲れた!」と叫びたくなるはずです。
この状況で、お母さんが頭ごなしに「帰ってきたと思ったら、すぐにダラダラして!何しているの!もうちょっとシャッキとしなさい!」
などと言われても、子どもの心には響かないと思うのです。
注意する前に、現状を認めてあげる
「お帰り。暑かったでしょ?しっかりと水分を取ろうね。少しエアコンにあたって涼んでおいで。」
「一休みしたら、おやつ食べようか?」
いや、中々口に出せないかもしれませんが、ここはひとつお母さんが頑張って、こんな感じに子どもに声をかけてあげて下さい。
そして、子どもの「頑張り」を認めてあげて下さい。
できることなら、一緒におやつでも食べながら、今日の塾での出来事を聞いてあげましょう。
子どもは、勉強と関係のない話をするかもしれませんが、そんな他愛のない話をキャッチボールすることで、子どもは安心感を得るはずです。
しばらくそういった「まったり」とした時間を過ごしたら、
「さて、お母さんは今から洗濯物を片付けようかな!あなたはどうする?」
と聞くなどして、子どもに次の行動予定を立てさせてあげて下さい。
「ちょっとゲームしたい。」と言ったら、「どの位やるか、時間を決めようか?」
「宿題をする。」と言ったら、「偉いね!先に片付けてしまった方が気分が良いもんね。」
「お手伝いする。」と言ったら、「ありがとう!お母さん助かる!じゃあ、一緒にテキパキ片付けちゃおうね。」
こんなささやかなキャッチボールをコツコツ積み上げていくことで、子どもは少しずつお母さんやお父さんの世界観(こういう子になって欲しい、といった望み)を理解していくと思います。
そんな時間が少しでも増えてくれば、子どもは自発的な行動に移ることができるようになってくると思います。