模擬試験

こんにちは、149teacherです。

模擬試験

6月13日と6月14日の土日、私の勤める塾では模擬試験を実施しました。
対象は小学校3年生から中学校3年生まで。
この週末が模擬試験実施日の前半で、来週の土日に後半を行います。

新型コロナ肺炎の影響で、子どもたちの勉強が今までにないくらいに停滞しています。

でも、子どもたちはこれから好むと好まざるとに関わらず、進級や受験に向かっていきます。
私たち、学習塾としては、今の時点での子ども一人ひとりの学力がどのくらいであるのかを把握することは大変重要なことです。

ですから、「密」を避けつつ、できるだけたくさんの子どもに模擬試験を受けてもらい、
今の学力の把握をした上で、今後の指導計画を具体的に立てていきたいと考えています。

そして、毎年5月~6月の模擬試験の時期に目立つのは、「テストの受け方」が分かっていない子どもが多いことです。

今日は、小学生によく見られる「テスト慣れしていない」様子をご紹介します。

 

1.答えを解答用紙に書く

子どもたちは学校でも大小さまざまなテストを受けています。ですから、テストに慣れていない、ということに対してピンと来ないお母さんもおられると思います。

でも、テストの形式がネックになるときがあるんです。

模擬試験は通常問題冊子と解答用紙が別々になっています。試験終了後、回収されるのは解答用紙のみ。
この形式に戸惑う小学生は少なくありません。

あらかじめ注意を喚起しておかないと、テスト開始と同時に問題冊子に解答を黙々と書き込む子どもは少なくありません。

試験監督をするとき、まずはこの点に関してしっかりと子どもを観察する必要があります。

油断していると、試験時間終了間際になって、解答用紙が真っ白!という子どもが出現してしまいます。

2.解答欄に答えが2つ

特に算数に多いのですが、解答欄に答えを”=”で結んで2つ書く子どもは多いです。

例えば帯分数と仮分数を=で結ぶようなタイプです。

とっても親切で丁寧な気もしますが、これは基本NGです。

だって、こんな解答だったらどうでしょうか?

こんな解答だったら採点者も困りますね。仮に片方の答えが正解していたとしても、もう片方は×。
ですから、1つの解答欄に2つ以上答えを書いたとみなして、不正解です。

同じパターンとしてカッコ書きもあります。
社会のテストで、解答が

治外法権(領事裁判権)、などと書いてしまうとダメです。

理由は同じく

治外法権(領事栽判権)だったらアウトだからです。(【裁→栽】としました)

ですから、私は子ども達に、「2つ答えを書いたら、ずるいことだと受け止められるからダメだよ。」
と言っています。

3.問題冊子を両手で立てて持つ

小学校低学年の子どもたちは、本読みのときに本の両端を左右の手で持って、本を立てて読みます。
あれはあれで意味があるのだろうとは思いますが、この習慣が模試のときには困ったことになります。

模試のときには、問題冊子を立てて読むことは厳禁です。
なぜかと言うと、後ろの座席に座っている生徒から見えてしまうからです。

例えば、子どもが国語の問題冊子に大きく答えを書いていたとします。
その冊子を机と垂直に立てて見ていると、後ろの座席の子どもには「丸見え」になってしまいます。
そういう訳で、試験中、問題冊子や問題用紙をまっすぐ立てることは禁止されていることが多いです。

学校のテストなどでは、B4版の用紙で、冊子状になっていませんからあまり気にならないのかも知れませんが、模擬試験の問題冊子となると、結構多くの子ども達が冊子を立てて読もうとします。

私の塾では、やんわりと理由を説明して、「中学・高校と大きくなってきたときに困らないように、今から気を付けるようにしてね。」とお話しします。説明を受けると子ども達は例外なく「なるほど!そうか!」と反応してくれます。

4.「不正行為」の意味

模擬試験の注意事項として「試験の解答に関係のない行動は不正行為とみなします」といった注意事項が見られます。

大人の皆さんは「カンニングのことだな。」と解釈されます。
でも、子どもの行動はそんなに予定調和なものではありません。

とりわけ、一通り解答が終わって、あとは試験終了時間が来るのを待つだけ、といった気持ちになった子どもたちの動きです。

① 寝る
あまり褒められた話ではないですが、放っておくと寝はじめる子どもは多いです。そんなに疲れているのかな?オプションとして、この手の子は必ず解答用紙を裏向けにしていますね。

② 暇になって遊ぶ
シャーペンをカチャカチャ動かしたり、挙句の果てはシャーペンや赤ペンを分解し始める猛者までいます。
そして、赤ペンの中に入っているバネがピョーンと飛び出してしまって、どこかに行ってしまったりします。

③ キョロキョロ

試験中だというのみも関わらず、自分が暇になったら、周りをキョロキョロと観察し始める子どももいます。
他の子は終わっているのかな?という純粋な疑問から来る行動なのかもしれませんが、試験監督としてはドキドキします。

④ 消しゴムが犠牲に

鉛筆のみならず、筆箱に入っているコンパスまで動員して、消しゴムにいくつもいくつも、いくつもいくつも穴を開け始めます。「消しゴムはそういう使われ方じゃないよ」と思わず消しゴムを助けてあげたくなります。
放っておくと、あわれ、消しゴムはボロボロの姿になれ果ててしまっています。

 

試験を受ける姿勢を育んであげる

別に私は、試験中の子どもの様子に対して怒っているのではありません。

彼らはまだ「知らない」のです。

私たち大人が「この位は常識だろう」と思っていることの多くが、子どもにとっては「初めての体験」なのです。
新型コロナ肺炎の影響で、学校だけでなく多くの「受験産業」と言われる塾業界も歩みを止めてしまいました。
ここから先、少しずつペースを戻し始めて、子ども達の勉強を加速させることでしょう。

お母さん方には、子どもの「初めて」をいつも意識して、
自分の期待と、子どもの「現実」とを冷静に受け止めて頂きたいと思います。

子どもって、分かった風な口をききますが、「子ども」ですよ。

大人である我々が、一段上からの目線を持って彼らのプライドを保ちつつ、伝えるべきことは丁寧に伝えていかなければならないと思います。

それが「子育て」なのだと思います。

 

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