難しくない「難しい」

「難しい!」

子どもたちの口から「ムズい!(難しい)」という言葉が出てくることがあります。

「今回の社会のテスト範囲ムズい!」「方程式の計算がムズい!」「漢字ムズい!」…。

子どもの言う「難しい」って何なのでしょうか。

「難しい」は「難しい」でしょ?と思ってしまうと、子どものメッセージを受け止められないことがあります。

子どもたちは勉強をしているとき、負担に感じることがあると「難しい」と表現しがちです。

ですから、「難しい」の内容を細かく分けていく必要があります。

 

「難しい」を分類していく

こどもの「難しい」は「本当に難しい」ことと「実は難しくないこと」に分けられる気がします。

「本当に難しいこと」とは、文字通り「難解で、理解しづらいこと」。

例えば小学算数の壁にペンキを塗る問題(分数のかけ算、割り算)や中学理科の電気分解など。

これらの単元は確かに難解で、子どもに説明するのにも少々骨が折れます。

もちろん、理解してくれればとてもうれしいですが、正直言ってハードルは高いです。

「実は難しくないこと」が、今日の本論です。

 

難しくないです、量が多いだけ

これは、覚えなくてはならない事柄の量が多いということ。

本質的に「難しい」訳ではなく、単に量が多いということです。

例えば社会の歴史用語など。

これについても「難しい」という言葉でくくってしまう子どもは結構多いです。

大人の立場からすれば「覚えてしまえば終わりでしょ」となりますが、子どもからすると負担の多い作業はとりあえず「難しい」と言ってしまいます。

子どもは「難しい」という言葉でまとめてしまい、「だから僕(わたし)は覚えられない」と安易な方向に逃げようとします。

平たく言えば、覚えることの負担から逃げたいために「難しい」という言葉でごまかそうとしてしまうのです。

もちろん、それで逃がしてしまっては子供の力は伸びません。

子どもが明らかに2番目の理由で「難しい」と言っているのであれば、「甘えるな」と一括するのも一つかもしれませんが、それでは逆効果になることもあります。

 

「難しい」というセリフを翻訳する必要

お母さんから「どこが難しいの?」と歩み寄って、「覚える量が多くて大変だね」と子どもの気持ちに沿ってあげて欲しいです。

その上で、「でも、中にはそれほど難しくない用語も含まれているよ」「いきなり全部覚えるのはつらいけど、少しずつ紙に書いて練習してみたら?」と提案してみませんか。

こういったアプローチをすることによって、子どもが「難しい」ことと「量が多い」ことは本質的に違うんだ、ということに気づいてくれれば大きな一歩になると思います。

子どもの言葉は、額面通りに受け止めることができない場面があります。

中々骨の折れる作業ではありますが、子どもの言葉の真の意味するところを探って、改めて言語化することは子供の成長にも大きく寄与するはずです。

言葉の意味をすり合わせすることなく過ごしていると、いずれお母さんと子どもとの間で円滑なコミュニケーションを図ることができなくなる場面が生まれてしまうかも知れません。

子どもが小学生くらいのときに、根気よくこの作業をすることは、後々の親子関係にも大きな影響を及ぼすと思います。

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