威厳のあるプロフェッショナルにお会いしました
こんにちは149teacherです。
本日は塾や子どもの勉強の話ではないのですが、非常に印象に残ったプロフェッショナルにお会いした話をさせて下さい。
8月に健康診断を受け、その結果いくつか「要再検査」の項目が見つかりました。
そのため、近所の医院を受診。詳しく見てもらった方が良いところがあり、専門の先生を紹介して頂きました。
その施文の先生に見て頂いたお話です。
パソコンの類が一切ない
受付を済ませて待っていると、ほどなく診察室から「149teacherさん」と呼ばれました。
初めてお会いする先生なので、当然ながらそこそこ緊張した気持ちで部屋に入ります。
で、診察室に入ると、大きな机の向こうに年配の小柄な先生が座られていました。
先生の雰囲気はと言うと、一言で言うと
「怖そう…」
怒っておられる訳ではないと思うのですが、
威厳、というか、
圧、というか、
ヘビーな空気感がものすごいのです。
何か、結構なことをやらかして生活指導の先生を超えて、教頭先生に相談室に呼ばれた雰囲気。
「うわぁ、この先生、厳しすぎて合わないかも…。」
と心拍数を上げながら、向かい合って座っている机の上を見ると、
パソコンの類が全くありません。
先生の手元には文字通り「カルテ」のみ。
そして先生の右手には「モンブランかな?」と思われる極太のいかにも高級そうなボールペン。
問診が始まります
先生のお声はつぶやく程度の声量なのですが、トーンが程よく低く、また一言一言の発話が明瞭なのでとても聞き取りやすかったです。
先生「あぁ、〇〇医院の△△先生の紹介なんだね。」
私「はい。」
先生は紹介状や添付されている検査データを見ながら、いくつか私に質問されます。
先生「そうか。自覚症状は?」
私「ありません。」
ずっと手書き
このように問診を続けている間、先生はずっとボールペンでカルテにゆっくりとドイツ語らしき文言を書き加えていきます。
全く内容は理解できませんが、私も、じっと先生のペンの先の動きを見つめます。
「何という昭和な雰囲気…」
と思いながらも、同時に先生に対してものすごい興味と安心感を抱きました。
最近は電子カルテが普及して、ほとんどのお医者さんが画面を見つめながらカチャカチャとキーボードを叩いています。
もちろん、事務作業を効率化して記入や転記のミスを防ぐために大変有効なシステムです。
精算作業なんかも、テキパキと行われますから。
でも、パッと目には「古臭く」感じるこの先生の様子を見て、ある意味嬉しくなってしまいました。
何をか、というと「自分に時間をかけてくれている」ということに対してなのかも知れません。
仕事柄、一人ひとりの生徒を大切にしたいという気持ちは誰よりも強いと思っています。
そして、業務を効率化することで、浮いた時間を子どもと向き合うために使いたい。
理想はそうなのですが、現実は時折そんなにうまくいきません。
慣れないデジタル機器を操作することに苦労して、却って余計な時間がかかってしまったりして、
「自分が機会に振り回されているのではないか?」と思ってしまうこともあります。
この先生みたいに、どっしりと構えて生徒と向き合っている時間って、自分には取れているのかな?
と反省してしまいました。
そして、最後の先生のセリフが
一通り検査を終えて、もう一度先生と机に戻り向かい合いました。
そこで先生が口にしたのは、
「これからどのような検査が必要なのか、また治療が必要なのか、考えさせてもらいたい。
とりあえず、1週間後にもう一度来てください。」
というセリフでした。
もちろん、「電子カルテ使って、ちゃっちゃと結果を出してくださいよ!」
と思われる人も多いとは思いますが、私の印象は逆でした。
「先生が考えて下さるのだったら、改めてお話を聞きに来て、検査や治療について説明を受けよう。」
と素直に受け入れることができていました。
結局は人と人
私がこの先生に対して、とても良い印象を持ったのは、一言でいえば「相手をしてもらえた。」
ということだと思います。
電子カルテを使いこなしている医院・病院にはもちろん先に書かせていただいたようなメリットがたくさんあります。
ただ、アナログな中に、少しずつ先生との距離感を縮めることができたように感じた今回の受診は、
私にとってとても「快適」なものでした。
自分が、どのようなツールを使うにしても、最後は「人対人」の関係で仕事をしています。
自分ではなく、相手がどのように受け止めてくれるかということを考えた一日でした。
長々と失礼しました。