いよいよ近づいてきました
兵庫県では公立高校の推薦入学・特色選抜の適性検査・面接日が近づいてきました。
受検をされる皆さんは、「もう少し時間が欲しい」とか、「早く終わってくれ」とか、
それこそ様々な感情が胸に渦巻いていることと思います。
私の塾でも、
市立西宮、尼崎稲園、県立西宮、三田祥雲館、県立伊丹…。
子ども達が必死になって合格を手に入れようと頑張っています。
本気で合格したいと願う人が全員合格できれば良いのですが、
そこは入試。現実には合格する人とそうでない人に分かれてしまいます。
今日は、皆さんも学校などで練習されていると思いますが、
面接について書きたいと思います。
よかったら、当日に向けての参考にして下さい。
「落とす面接」と「受からせる面接」
「面接」と聞くと、大人だってビビってしまいます。
「何を聞かれるんだろう?」
「何て話せば評価されるんだろう?」
いや、むしろ
「言ったらダメな発言や、やっちゃいけない仕草とかがあるのかな?」
といったマイナス面を気にする受験生も多いと思います。
私は面接する高校の人間ではないので、正解は正直分かりませんが、
高校の面接は「受からせる面接」だと考えています。
「受からせる面接」というのは私の造語ですが、言い換えると
「落とすための面接」ではないということです。
大手企業の就職活動などでは、それこそびっくりする位の数の応募者がエントリーしてきます。
それこそ倍率が何百倍、という世界。
そのような面接では、企業側も少しでも魅力のある学生を1人でも多く獲得したいと考えます。
ですから、面接での評価も基本的に「消去法」「減点法」になりがちです。
結果として、少し難しい(厳しい)質問などを応募者に投げかけて、相手の反応を見ます。
企業はボランティアで社員を採用するわけではありません。
将来、わが社を背負って立つ人材の確保を行っているのです。
当然ですが、そのような場で「ぬるい」面接をしている場合ではありません。
それに対して、高校の面接ですが、
これは2つの観点から実施されているのではないかと考えています。
それは、
1つ目は「この高校に入りたいという強い気持ちを持っているかどうかの確認」
2つ目は「面接があることに対して、正しく対策(練習)してきたかどうかの確認」
です。
① この高校に入りたいという強い気持ち
まず間違いなく聞かれるのが「志望動機」です。
受験生の皆さんも、色々な人と相談しながら「何て答えようか」と作戦を練っているはずです。
作戦を練っている段階で、あなたは第1段階をクリアしています。
なぜなら、合格するために、今、一生懸命に当日の自分のセリフを考える努力をしているからです。
その努力の中で、皆さんは志望校のホームページを見たり、オープンスクールに参加して話を聞いてきたりしたはずですよね。つまり志望校研究。
この一連の研究の中で、皆さんは志望校の「校訓」・「教育目標」などを読んで、志望校に対する理解を深めているはずです。
そして志望校のことを研究し、理解するにつれ、「受かりたい!」という気持ちが強く芽生えてきませんでしたか?
「なぜこの高校を志願したのですか?」という問いかけに対しての最もよい返答は
あなたが心からこの高校に受かりたいと考えた理由です。
・きめ細やかなカリキュラムで、生徒の将来を見据えた教育指導
・生徒の能力・適正などに応じてクラスを編成し、進路実現を目指す
・大学や研究機関との連携を通じ、高度な学問を探求する精神を育む
高校の指導目標にはこのような言葉が見られます。この教育目標の中であなたが一番関心を持ったことについて面接では話してみましょう。
「これ!」という1つをしっかりと持ってください。
② 面接の対策をしてきたか
いくら「受からせる面接」だからと言って、なめてかかってはいけません。
「面接」があることが分かっているのですから、それに向けて練習を重ねる必要があります。
どの高校も例年、面接で聞かれる質問にはあまり変化がありません。
これは学校の先生や先輩、もし塾に通っているのならば塾の先生に聞いてみて下さい。
つまり、聞かれる内容は高校ごとに大体分かっています。少し頑張って調べたり、人に聞いたりすれば分かる内容です。
そういった想定される質問をされたときに、頭の中に何も答えが見当たらずにフリーズしてしまう受験生って、高校の先生にはどのように映るでしょうか。
「この高校に入りたい、と言っている割には事前に調べたり、練習したいといった努力を怠っているんだな。」
と思われますよね。
極論すれば、少々しどろもどろでも良いんです。
自分なりに伝えたいことがあれば、それを声に題して練習しましょう。
この言葉を言ったらOK、なんていうものではありません。
自分の思いを一生懸命言葉にして面接官に伝えるのです。
そうすると、面接官は「この受験生は、うちに合格するためにしっかりと練習してきたんだな。」
と理解してくれます。
受かりたい気持ちがあれば、面接に向けて練習をしてきた形跡が伝わるはずです。
相手もプロじゃない
面接を担当される先生も、面接のプロではありません。
受験生の皆さんは中学校の先生や塾の先生を面接官に見立てて面接練習をしているかと思います。
大人を相手に、しっかり自分の言葉で話そうとすると緊張しますよね。
実は、面接官も同じです。
彼らも正体は高校の教職員なのです。当たり前ですが企業の人事部採用課の所属ではありません。
面接中、手元の書類に何かを書き込んだり、あなたの顔をじっと見つめたり…。
受験生からすると、「正に今、審査されている。」という恐怖感を感じると思いますが、
大丈夫です。面接官の先生だって、緊張されているはずです。
むしろ、合格したら勉強を教えて頂く担当の先生になるかも知れません。
面接官の先生方は、あなたがどういう人なのかな、と関心をもって見てくれています。
決して、「落とそう」としてにらみつけているのではありません。
ですから
「高評価につながる良い返事をしなければならない」とか、
「塾の先生に添削してもらった想定問答を丸暗記して、再現しなければならない」
なんて緊張しないでください。
そもそも、教育目標には生徒の育成について書いてありますよね。当たり前です。
高校の3年間で、あなたを育てるのが高校の仕事なんですから。
ですから、「完成された受験生」なんて初めから求めていません。
欲しいのは「目標意識のある、意欲的な生徒」です。
そういう生徒が入学してくれたら、他の生徒の模範となって頑張ってくれますからね。
長所・短所
長所と短所についても聞かれることが多いです。
もう少し突っ込んでくると、短所とそれをどのように克服したいか?
なんていうものもあります。
良く言われることですが、短所は
「考え方によってはそれは長所とも言えるのではないですか?」
と思われる内容が良いですね。
例えば、
「私の短所は、少し融通が利かないところがある点です。」
というのは、
「一度決めたら中々諦めない。」と受け取ることができます。
また、「物事を決めるのに時間がかかってしまい、周囲から遅れてしまいがちです。」
というのは、
「物事を思慮深く考えることができ、短絡的な行動を取らない。」とも解釈できます。
まちがっても、
「時間にルーズだ。」とか、
「良くものを忘れる。」なんているネガティブ一色の返答を考えないでくださいね。
長所については、自分で恥ずかしくなる位の持ち上げ方で良いです。
大体、私たち日本人は自分を肯定的にとらえることが下手すぎます。
先ほどの短所の裏返しではないですが、
「自分は周囲の人に流されやすいな。」と感じているならば、それは
「周囲の人の気持ちを考え、調整しながら物事を進めていくことができる。」能力です。
「人前で上手く話すことができない。」ならば、
「できるだけ完璧なものを作り出そうとする気持ちが強い」性格のあらわれです。
どうしても思いつかなかったら、お父さんやお母さんにも聞いてみて下さい。
いくつでもあなたの良いところを教えてもらえますよ。
いずれにしても、準備はしっかりと怠らずに。
そして、あなたは推薦・特色を受けることができるのですから、
それだけで、まずは自信を持ってください。
頑張って下さいね。