公立中学の授業に一言

こんばんは、149teacherです。
今回は、公立中学の授業について、学習塾の現場で私が感じていることを書かせて下さい。

私が担当している中学3年生にとっては大切な大切な2学期の中間考査が行われています。。

私も、この2週間ほど中学3年生の子どもたちに対して、テスト対策授業を何コマも行いました。
そこで、毎年気になるのが、特に社会の授業進度です。

 

授業が全然進んでいない!

毎年のことなのですが、私たちが預かっている子どもたちの中学の授業進度が異様に遅いです。

中学3年生の2学期、もう10月なのに、歴史の授業が残っている中学校があります。
本来ならば、歴史の学習は遅くとも3年生の1学期で終わっているべきなのに。

もちろん、学校では公民の授業も進めています。
時間割上、社会Aと社会Bというふうに分けているケースが多いです。
そして、社会Aは歴史、Bは公民。

公民もやっているのだから問題ないのでは、と思う方もおられますが、
日々、リアルタイムに子どもたちと話していると、
こういっては何ですが、社会の先生方の中には

「年間授業計画」という概念を持っていなかったり、
授業のペースについての認識がない方が比較的多いのではないかと思ってしまいます。

 

エピソードあれこれ

今まで私が子どもたちから直接聞いたエピソードを紹介します。

      • 板書が1時間の授業で1行
      • 社会という教科の特性と言えばそれまでなのですが、教えている先生自身が盛り上がってきて、事細かな話まで突き進んでいくケースです。歴史などは、確かに「エピソード」が豊富ですから、話が脱線することが多いようです。それにしても、1行って…。
      • 採点する時間なんかないんだ!
      • これは社会の先生、という訳ではなく、個々の先生の仕事に対する考え方によるものなのですが、学校によっては定期テストの答案の返却がとっても遅い先生がいます。遅いケースで言うと、テスト終了日から1週間経っても返却してくれない先生もいました。
        さすがに子どもが先生にテストを早く返して欲しいと言ったところ、その先生の返事は「体育大会の準備が大変なのだから、今は採点している時間がない!」子どもからこの先生の返事を聞いたお母さんが、即学校に抗議の電話をされたそうです。
      • 授業中にテストの採点
      • 定期テストが終了し、通常授業に戻りました。子どもたちはドキドキしながら答案の返却を待っています。
        そこへ、答案の束を抱えた先生が登場。そして一言、
        「今日は、自習をしていなさい。」
        …と言って、やおら教室内でそのクラスのテストの採点を始めたそうです。先生なりに焦って採点したんでしょうね。
        返却された答案は採点ミスだらけだったそうです。
      • 「塾の模擬試験に間に合わせるように授業をしているんじゃない!」
      • 雑談に次ぐ雑談で送れる授業。
        ある子供が授業中に先生に尋ねました。「先生、授業スピードで間に合うんですか?」それを聞いた先生は、逆上ともいえる勢いで怒りだし、こう仰ったそうです。「塾の模試に合わせるために授業をしているんじゃない!」…いや、子どもが気にしていたのは、「入試」に間に合うのか、という切実な不安なのですが。
      • 校長に怒られても自分を曲げない
      • これも授業進度がとても遅かった先生の話。あまりの遅さに保護者からも不安の声が上がり、学校に問い合わせが相次ぎました。
        だって、中3の10月でまだ歴史が終わっていなかったのですから。公民は全く手つかず。さすがに校長先生が社会の担当の先生をきびしく注意したそうです。これで一件落着かと思いきや、その先生はその後も「マイペース」な授業を展開。
        雑談だらけの授業を行っていたようです。ただ一つ、校長に注意される前と違っていたのは、
        「今日の授業も雑談が多かったこと、校長先生やお母さん達には内緒にしておいてね。」
        と、子どもに念を押すようになったこと。何より辛いのは、子どもたちに聞くと、その先生の「雑談」、全然楽しくも面白くもなかったそうです。
      • 南アフリカ共和国の国旗の変遷
      • 何のことか分からないと思いませんか?
        私も分かりませんでした。「何、このテスト範囲?」って。で、子どもに学校の授業プリントやノートを見せてもらったら、教えていました。
        南アフリカ共和国の国旗の変遷を。しかも私が調べたら、先生の教えた内容、間違っていました。ご参考までにリンクを貼っておきます。中学3年生が覚える必要があるのですかね。

 

  • 子どものための授業をしようよ

    私は何も、色々なケースを並べ立てて個々の先生を非難することを目的としているのではありません。
    同じ教育者として、正直はらわたが煮えくり返りますが…。

    でも、ここで言いたいのは、ただ一つ、
    「子どものための授業をしましょうよ。」

    ということにつきます。

    授業は、教師の知識をひけらかす場ではありません。

    もちろん、様々なエピソードや雑談を交えて、子どもに好奇心を抱かせることは、指導技術の一つだとは思います。
    でも、これはとても難しいことなのです。

    上手にクラスの雰囲気をつくりあげて、子どもとの信頼関係をしっかりと築いた上で、
    細心の注意を払って、雑談などを授業に織り込むのです。

    そうでないと、子どもにとっては、ただの「脱線した授業」でしかありません。

    かくいう私だって、「上手くできたな」と思える授業なんて、せいぜい年に数コマです。
    でも、自分の授業に対して責任感は持っています。

    子どもに「教育」というサービスを提供してるのだ、ということを。

    公務員ですよ!

    公立中学校の先生方は、当たり前ですが公務員です。
    「奉仕者」であるべきです。

    確かに、中には対処の難しい子どもや親もいるでしょう。
    私のような外の人間からはうかがい知れないストレスも抱えていると思います。

    でも、「教育」そのものについては、常に謙虚な姿勢で
    「生徒のための授業をする。」
    ことに注力して頂きたいなと思います。

    塾に通っていない子は、本当に大変ですよ。

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