過去問を解き始める時期

赤本、解くぞ!

新年度が始まったと思ったら、あっという間に7月になってしまいました。期末考査も終わり、3年生は部活動がいよいよ大詰めといったところですよね。

もちろん受験勉強も本格的にスタート、と行きたいところだと思います。

塾に通う生徒の中にはこの時期にもう「過去問」を解き始めようとしている生徒がいます。傍目には気合が入っていてとても頼もしく感じられるかもしれません。

でも、少し気になることを書かせてください。

まだ早いです

子どもの学校での授業進度を確認して欲しいのです。公立中学校では、教科によりますが教科書の3分の1も進んでいないものもあると思います。

例えば英語についてですが、私が塾で教えている子どもたちの学校では例年6月末の時点で履修しているのは現在完了形まで。まだ「不定詞の重要構文」「分詞」「関係代名詞」といった受験に必須の単元は学習していません。

他の教科についても3年生範囲はまだまだこれからです。

この状態で入試の過去問を解かせることはあまり意味がありません。知らないことが多すぎますから。

子どもは過去問に必死に取り組んで、その結果分からないことだらけで終わってしまいがちです。

全然できなくて子どもが落ち込む

早めに過去問に取り組もうとする子どもでしたら、学習意欲や入試への意識は非常に高いはずです。

そういった子どもが不要な不安感や焦燥感を抱いてしまうというマイナスの結果しか残らないと思います。

あまり学校の進度と関わり合いの深くない国語(現代文)にしても、この時期での取り組みはあまりお勧めしません。

一般的に過去問は何回も取り組んで時間感覚などを養うことにも意味があります。ところが国語については1度解いてしまうと、解答が頭に残ってしまいます。また、当然ですが2回目以降は本文が「初見」ではなくなります。

私は過去問への取り組みは早くても10月以降で大丈夫だと考えています。ある程度中学3年生の学習内容が終わってからでないと子どもの得点力を冷静に分析することはできません。

それでは、今は何をすればよいか?という疑問が湧きますよね。

この時期は1・2年の復習に特化していれば十分だと思います。例えば地理・歴史。

子どもの中には面白いことを考えている子が結構います。

曰く「あんまり早くから地理の受験勉強を始めても、どうせ忘れてしまって受験まで記憶が持たない。」…暗記の本質を理解していないセリフですよね。

暗記できていたら、つまり自分の知識として身に付けることができていたら「忘れる」ことはありません。

小学生の時に覚えた九九は今でもスラスラ言えるでしょ?地理や歴史の知識も同じことです。正確に身に付けることができていたら、少々時間が経っても忘れはしません。

もちろん、受験が近付いてきたら改めて復習する必要はありますが、夏にしっかりと覚え直しの作業をしていた子どもたちならば、復習に要する時間も短くて済みます。

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