志望校「親子」会議

進路希望調査

中学3年生はそろそろ1学期の懇談も近づいてきましたし、最初の進路希望調査も始まる頃ではないでしょうか。

お母さんたちにとっても我が子のためにどうしてあげたら良いのか、と悩む時期かと思われます。

特に一番上のお子さんの場合は、ご両親にとっても初めての経験になりますので、その不安たるや相当に大きいはずです。

1学期の進路希望調査については、あまり難しく考えないで子どもがこの高校に入りたいと思っている学校名を素直に提出すればよいと思います。

昨年度の倍率などを一生懸命研究して少しでも合格可能性の高そうな学校を選ぼう、といった観点を軸に据えてしまうと、子どもの本当の気持ちをすくい上げることができなくなる可能性があります。

また、懇談などで学校の先生と具体的な志望校の話をするときにも、説得力のある志望動機を伝えることができなくなってしまいがちです。

「志望動機」というのが中々曲者で、これを踏まえて中学校の先生と話し合わないと、どうしても会話がギクシャクしてしまいます。

先生たちは子どもに「君はA高校を第1志望にしているけれど、どうしてA高校に行きたいの?」と尋ねます。

子どもが「偏差値が高いからです。」と答えたりすると、中には機嫌の悪くなる先生もおられます。

「偏差値の話じゃないんだ。受かったら3年間通うんだよ。A高校で3年間どういう生活を送りたいか考えなさい。他の高校ではなくて、A高校でなければならない理由を先生に教えて欲しい。」

こういった問いかけをされる子どもも少なくありません。でも中々難しいお題ですよね。

実際に通っているわけではないのですから、3年間の高校生活をシミュレーションしろと言われても無理な面があります。

まだ14、5の子どもにそこまで深く考えて説明しろと言われても、しかもまだ見ぬ世界について説明しろと言われても、そんなものは「想像」でしかありません。

先生もある程度無理なお題であることは100も承知だと思います。ただ、志望動機が「偏差値」のみであることに不満というか不安を感じているのだと思います。

家族間で合意できているか

要は、自分自身でA高校に対してどのような魅力を感じているのかしっかりと考えているかどうか、そして家族間でも志望校についてちゃんと話し合っているかということを確認したいのではないかと思います。

偏差値だけで志望校を考えている子どもは、2学期以降の学力の変化などで安易に志望校を変更しがちであるという面もあると思います。

また、先ほど書いたような、倍率を横目で見ながら少しでも受かりやすい条件の整った学校はないかと親子で色々と作戦を立てる傾向も確かにあります。

まずは「わが家の意志表示」という気持ちで志望校を中学校に伝えることが大切だと思います。

できるだけ時間を割いて、家族で子どもの志望校について「会議」を開いてください。場合によっては親子で言い合いになって、ケンカ状態になることもあります。

一例を挙げますね。

子どもは比較的難易度の高いx高校に行きたいと言っている。

親としても、もちろんx高校に入ってくれれば嬉しい。

でも今の子どもの生活態度を見ていると、とてもx高校に受かることができるような努力をしているようには見えない。

⇨お母さんとしては子どもに喝を入れるつもりで「x高校に受かりたいんだったら、もっと頑張って勉強しないといけないんじゃないの?今みたいなダラダラした生活だと無理よ。」などと言ってしまったりします。

こんな展開になると、当然子どもはへそを曲げます。

ふてくされた表情を浮かべたり、怒ったりしてしまいそれ以上建設的な話は成立しなくなります。

お母さんの気持ちは良く分かるのですが、こんな展開になりそうでしたらまずは深呼吸でもしてこらえて下さい。

目的は「話し合い」「会議」なのです。決裂してしまったら元も子もありません。

できるだけじっくりと子どもの言葉を聞いてあげて下さい。

子どもにインタビューする

ちょっとした技としては、メモ用紙を用意してお子さんのセリフを書き留めておくのはどうでしょうか?インタビューみたいな感じです。

文ではなくて単語だけでも書き留めておくことで、子どものセリフが自分なりに考えて出てきたものなのかどうか浮かび上がってきます。

また、親子で会話をするときなどは話題がちょこちょこ飛んでしまい、話にまとまりがなくなってしまうこともあります。

話がずれてきたな、と思ったらメモを見ましょう。話題を修正できるはずです。

1回の会議で親子間で意思の疎通が図れないかもしれませんが、それはそれでOKです。

大変だとは思いますが、親子双方が納得するまで第2弾、第3弾と続けて頂きたいです。

そうすれば子どもの内面も随分と見えてきます。「うちの子、そんな風に考えていたんだ。」と発見することも多々あると思います。

ただし、この話し合いはすぐに始めて下さいね。

志望校調査の書類の提出期限が明日!なんていうタイミングでじっくりと親子で話をするなんてことはできません。早めに親子で話し合う機会を作って、まずは「わが家の意思表示」を固めて下さい。

そもそもこの時期の志望校調査は各府県内の今年の受験生の大まかな動向を掴むために行うものです。

この先志望校を変更する機会はいくらでもあります。

「わが家」の最終決定はまだ先で大丈夫です。大切なのは親子で話し合う土壌を作っておくことだと思います。

夏以降も進路について親子で考えなければならないタイミングはありますからね。

広告