子どもの「環境」
暑い日が続きます。皆さん、暑さに負けていられませんよね。
何かの記事で読んだのですが、体調を維持するための条件は、
① 空腹でないこと
② 体が冷えていないこと
③ 睡眠が十分にとれていること
の3点なのだそうです。
言われてみれば、なるほどと思いませんか?
私にはピッタリ当てはまっています。この3点のどれかが欠けた時点で抵抗力が落ちていくのではないかと思います。お母さん方は「体調不良」と言ってお家の仕事を休むわけにはいきませんから、この3点を気にするようにして下さいね。
今日は、「環境」という考え方についてお話しさせてください。
塾で働いていると、必ず直面するのが「辞める」子どもです。通い始めた塾ではあるけれど、様々な理由で塾を辞める子どもがいます。
私としては、縁があってお預かりした子どもが塾を辞めていくことは本当に胸が痛いです。でも、子どもやそのお母さんには相応の理由があるから辞めるのであって、その理由をしっかりと受け止めたいと思っています。
塾を辞める、または塾を替える理由として多いのが、当然ですが「成績が思うように伸びない」という点につきます。
「子どもの夢をかなえたい。」「うちの子はもっとできるはずだ。」「もっと良い点を取ってくれなければ困る。」
折角塾に通わせたのに、中々成績が伸びない。この子の環境を替えなければならないのではないか?
そう考えて、いろいろ情報を集めてベターな方法を検討するお母さん方も多いと思います。
もっと良い「環境」があるかも
新聞の折り込みチラシなどを見ると、時々ものすごい数の塾の広告が入っています。曰く「〇〇点アップ!」「無理だと思っていた志望校に合格!」…
「今通わせている塾よりも成果が出そうだわ。」
しかも広告をよく読んでみると、体験授業に無料で参加できたり、入塾金が今なら無料になったり、友達の紹介があるとクオカードをもらえたり…。
私の勤務している塾では、そういったキャンペーン的なことは一切していません。
だって、新規入塾生徒の授業料を一定期間無料にしたとしても、教師の人件費は発生します。それならば、その費用はどこから捻出されるのでしょうか。
当然、在籍している生徒の授業料の一部があてがわれます。
結果として、在籍生徒の授業料は高めに設定されます。
大々的なキャンペーンを行って、無料体験生徒を大量に獲得。半分以上の体験生が短期で辞めたとしても、残ってくれた生徒から広告・宣伝等に関わる費用をonした授業料を徴収すれば、ビジネス的には成立するのだと思います。
体験中は評価の高い教師を充てるなどして、子どもに精一杯アピールします。子どもは「メッチャ分かりやすかった!」と言って嬉しそうに帰宅します。
「やっぱりこの子の環境を変えてあげた方が良いのかな。」
そう考えてしまうお母さんだっていますよね。
学習塾を取り巻く現状については、改めて言いたいだけ言わせていただきたいと思っています。今日、お母さん方に聞いて頂きたいのは「環境」です。
塾を替えたり、辞めたりしようとするときに「環境を変えたい。」と仰る方が少なくありません。私の指導が至らなくて、子どもの成績を伸ばしてあげることができなかったのですから、もっともなお気持ちだと思います。
塾=学習環境?
でも、同時に「環境」って何なのか?とも考えてしまうのです。
私は週に2時間の時間を頂いて、子どもにそれこそ「命がけ」で授業を行います。単にその日のカリキュラムを恙なく説明するだけではありません。
この単元がどういう意味を持つのか、どのような形で出題されるのか、と言ったことだけではなく、今覚えた内容は時間が経過すると必ず忘れてしまうので、いついつのタイミングで復習しなさい、といったことを子どもに伝えます。
「なるほど」と理解してくれた子どもは、実践してくれます。そして、私に「先生、先生の言うとおりに家でも勉強してみたら、ものすごく勉強がはかどりました!」と報告しに来てくれます。
子どもの「環境」を考えたとき、当然ですが「家庭」という要素はとても大きいと思います。「家庭」で子どもがどのように勉強に取り組むか、もっと言えば、「家庭」でもしっかりと勉強に取り組もうと子どもに自発的に思わせることが私の仕事だと考えています。ですから私たち塾教師(そうではない教師もいるかもしれませんが、そういう人たちは論外です)は、自分の目の届かない「家庭」においても子どもが「実践」する気になるように、子どもに働きかけています。
そして、家庭での子どもの行動を管理するのはお母さんに委ねるしかありません。
お母さんも「環境」です
「私は勉強のことは全然分からないから。」「勉強は塾に任せているから。」と言って、子どもが家で全然勉強していなかったり、自室にこもって何をしているか分からないような状況でるのならば、大変だとは思いますが、まずは子どもにお母さんの意見を伝えて下さい。
塾に通っているからといって、家でそんなにダラダラしていると、折角の学習効果がどんどん減っているはずだ。塾の先生は、家では勉強しないで良いと言ったのか?お母さんに、塾の先生があなたに、家でどのように過ごすように言ったのか教えてちょうだい。
そして、子どもが通ってる塾に電話なりメールなりして下さい。そして、家での子どもの様子を教えて下さい。
お母さんと私たち塾教師が連携をとることで子どもに適切な圧力を与えることができます。
そのようなアクションを起こさずに、目の前の子どもの様子だけを見て、「環境」を変えた方が良いのかな、と考え始めてしまうと問題の本質を見失うことになりかねません。
どんどん塾に電話して相談して下さい。
それでも、塾や担当教師側がしっかりと対応してくれないのであるならば、それまでの塾です。
でも、そこまでやってみて下さい。